...私だつて好いぢやないの...
田中貢太郎 「蛾」
...「では、明日(あす)の晩まで待って頂戴(ちょうだい)、明日の晩、好い方のを持って来ますから、これは駄目ですから」「明日の晩じゃいけない、今晩でないと、叔母がばかにするから、好いだろう、証拠になりゃなんでも好い」女は銚子を置いて左の指で指環の玉をいじりながら困った顔をした...
田中貢太郎 「岐阜提燈」
...たまたま天気の好い日などに...
谷崎潤一郎 「細雪」
...宅の抱への小春といふのに惚れて大変なんですの? お宝も随分使ふの? 叔母も好いお客にはしてゐるけれども...
田山録弥 「アンナ、パブロオナ」
...二度とも好い印象を受けなかった...
徳田秋声 「仮装人物」
...八歳の兄は「破れ家でも吾家(わがいえ)が好い」と喜んで踊ったそうである...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...啓蒙も好いだろう...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...例えば欧州における現代のカトリック主義及びそれから来る有りとあらゆる方向への帰結などがこの公式にぞくする反動の適例として撰ばれて好い...
戸坂潤 「範疇の発生学」
...どうすれば試されるんです」「御前と直が二人で和歌山へ行って一晩泊ってくれれば好いんだ」「下らない」と自分は一口に退(しり)ぞけた...
夏目漱石 「行人」
...自分に都合の好い結果が...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...貧乏人に五両や三両恵んで好い心持になってるような野郎を俺は大嫌いさ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...さぞ好い気持ちだろうな...
堀辰雄 「菜穂子」
...」「うむ、そりやア好いな...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...こんな場合普段なら直ぐに好い加減な冗談に紛らせてしまつたが...
牧野信一 「闘戦勝仏」
...誰かが『徒然草』の好い注解本を塙(はなわ)検校(けんぎょう)方へ持ち行きこの文は何に拠る...
南方熊楠 「十二支考」
...行っても好い」「そりゃあ帰る」それから古賀が歩きながら探険の目的を話した...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...「ほんとにあなたは好い人ねえ...
カミイユ・ルモンニエエ Camille Lemonnier 森林太郎訳 「聖ニコラウスの夜」
...好い風情のものであつた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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