...犬や猫の容貌が好(い)いの悪いのといって好いたり嫌ったりするは人間として実に恥かしい事だ...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...今日は? なんて言つて? 本当に好い伯母さんでしたからね...
田山録弥 「ある日」
...彼等は見るから気持の好い...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...だが動態――歴史的前進――としては形式論理を方法とするかそれとも又弁証法的論理を方法とするかは一層自由だと云っても好い...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...人々は歴史の内に一定の性格を発見しさえすれば好い...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...「ええ好いのを一人周旋しましょう」と小野さんは...
夏目漱石 「虞美人草」
...私のような粗末な考えを好い加減に云う時は...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...それより行って悪いなら悪いと判然(はっきり)云ってちょうだいよ」せっぱつまった津田はこの時不思議にまた好い云訳(いいわけ)を思いついた...
夏目漱石 「明暗」
...キリヽとして好い男振りが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...好い加減胸を惡くして居ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...軽快な都会風の家屋が好い...
萩原朔太郎 「石段上りの街」
...この道で好いのでせうか?」さう言つて慣れ慣れしく微笑した...
萩原朔太郎 「夏帽子」
...あてが代っても好いというふうになっていった...
長谷川時雨 「モルガンお雪」
...――それで好いぢやないか...
牧野信一 「鶴がゐた家」
...それを此処へ持つて来ても好いか...
牧野信一 「晩春日記」
...天気ばかりが好いだけで今はもう反つてその為に梟になつた樽野は...
牧野信一 「円卓子での話」
...彼は並外れて美しい、姿の好い児で、肩が広く腰が細く、陰のない鋭く物を見る鋼色(はがねいろ)の眼を持っている...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...僕が新しく買つた絵具箱を画家然と提(さ)げて行つたのは好いが...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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