...彼は奸物と呼ぶにふさわしい人物だ...
...奸物に騙されないように注意しましょう...
...彼女は奸物のような笑顔を浮かべた...
...奸物め、ここで終わりだ!...
...どうも俳人と云うものは案外世渡りの術に長じた奸物らしい気がしていた...
芥川龍之介 「飯田蛇笏」
...羊の皮を着て群羊の甘心を買ふの奸物ではない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...是(こゝ)に於(おい)てか奸物共(かんぶつども)は衣食(いしよく)に飽(あ)き...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...将曹如き奸物にもせよ...
直木三十五 「南国太平記」
...奸物共を――」「万一とは...
直木三十五 「南国太平記」
...(将曹は、奸物じゃ...
直木三十五 「南国太平記」
...「それもよいが、この春には、福岡(黒田美濃守)も、八戸(南部遠江守)も、中津(奥平大膳太夫)も、宇和島(伊達宗城)と一緒に江戸へ出て、斉興公の隠居を願い出るし、閣老も、肚は、そうときまっているのじゃから、いよいよ斉彬、御家督になってから、一挙にして、奸物共を、殺滅してもおそうは無い...
直木三十五 「南国太平記」
...赤山殿の魂魄(こんぱく)も、浮ぶことだろう――ところで、皆が集まっているが、出向いてくれんか」「何処へ」「韃靼冬(だったんとう)へ――御世継は、御世継として、何うしても、われわれ秋水党は、お由羅、将曹を初め、奸物を斬らんと、勘弁ならん――」「誰々が、集まっている?」「大山(綱良)、樺山(資之)、などだが、一緒に来てもらいたい」「行こう」「死屍に鞭うつということは、士を恥かしめる上において、この上無しとされているが、死屍を掘り起して、曝すなどとは、斉興公はともかく、将曹め、主君を恥かしめて悔無きの徒だ...
直木三十五 「南国太平記」
...勝が奸物(かんぶつ)だという評判は...
中里介山 「大菩薩峠」
...向うが見えない山気(やまき)でやらかす王政復古も天下の諸侯に綸旨(りんじ)のなンのと勿体ないぞえ神にひとしき尊いお方の勅書を名にして言いたい三昧(ざんまい)我が田へ水引く阿曲(あきょく)の小人トドの詰りは首がないぞえそれに諂(へつら)う末社の奴原(やつばら)得手(えて)に帆揚げる四藩の奸物(かんぶつ)隅の方からソロソロ這(は)い出し濡手で粟取るあわてた根性眉に八の字...
中里介山 「大菩薩峠」
...よっぽど奸物(かんぶつ)だ...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...どうしたら困るだろう」「あんな奸物の遣る事は...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...「貴様のような奸物はなぐらなくっちゃ...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...「貴様等は奸物だから...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...「奸物(かんぶつ)にも取りえはある...
森鴎外 「阿部一族」
...殿を誤らせた奸物...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...又は奸物を承知でくっ付いた奸物かに限られているようであります...
夢野久作 「鼻の表現」
...もし彼が野望の奸物(かんぶつ)なら...
吉川英治 「私本太平記」
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