...窕子は徒らに嘆いたり女々しく悔んだりばかりしてはゐられないやうな氣がした...
田山花袋 「道綱の母」
...今日の吾々が愛國武勇の熱情に感動するは、餘りに傳説的に、餘りに教訓的に、神聖視せられ、理想化せられ、偶像視せられたる東洋歴史中の人物の感化にあらず、彼等に比較すれば甚だ卑俗に、甚だ女々しく、要するに甚だ人間らしきワシントンやユウゴウの傳記に打(うた)れたる結果に御座候...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...卑屈(ひくつ)らしく女々しく思わるる牛馬羊のごときはかえって年々増殖する...
新渡戸稲造 「自警録」
...與之助の女々しく未練なるは弱年(としわか)のならひ...
樋口一葉 「花ごもり」
...子供のように女々しく振る舞うなんて信じられない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...どうも私の挙動が日増に女々しく腺病質の傾向が萌してゐるといふわけで...
牧野信一 「熱海線私語」
...愚図々々してゐる間に吾々までが此処の人々のやうに女々しくなつてしまつては大変だから...
牧野信一 「闘戦勝仏」
...「此処の人々のやうに女々しくなつては大変だ...
牧野信一 「闘戦勝仏」
...がそれでも上に媚びて給料の一円も上げて貰いたいと女々しく勝手口から泣き込んで歎願に及んだ事は一度も無く...
牧野富太郎 「植物記」
...永遠の思慕は常に「女々しくはかなき」という言葉で適切に現わされるとは考えられない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...それらを我々は「女々しくはかない」と呼ぶことはできぬ...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...吾人は口に豪壮を語る輩が女々しく肉に降服せるを見て憐れまざるを得ない...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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