...次第に奥深く舁(か)かれて行った...
芥川龍之介 「偸盗」
...花に埋められ香をたきこめられてビザンチン型(けい)の古い十字架聖像(クロチェ・フィッソ)が奥深くすえられてあった...
有島武郎 「クララの出家」
...沼の様な海上の、靄の奥深く、黒血(くろち)の色の夕焼が、ボンヤリと感じられた...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...家庭の奥深く入ってしまわれては...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「和製椿姫」
...一方エリザベスは白宮殿の奥深くに...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...山の奥深くわけいるのであるが...
太宰治 「惜別」
...其処には薄つすらした靄がかかつて池の周囲の灯の光を奥深く見せてゐた...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...自分も車の上から鞭を執りながら更に坦道の奥深く進んで行くのです...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...通りから厨の傍や帳場の傍を通つてずつと奥深く入つて行くあの料理屋...
田山録弥 「島の唄」
...覗き出しかけた彼の心が再び奥深く引込んだかのようだった...
豊島与志雄 「野ざらし」
...いきて四方に漂泊したもうひとの心の奥深くまで...
中村清太郎 「山岳浄土」
...駈けるやうに棚の奥深く消えていつた...
北條民雄 「青い焔」
...バージーの森の奥深く...
ライマン・フランク・ボーム Lyman Frank Baum 大久保ゆう訳 「サンタクロースがさらわれちゃった!」
...自身の感情の奥深くまで沈潜させ...
宮本百合子 「ケーテ・コルヴィッツの画業」
...もつと進んで考へると此の交契の奥深くに吾らの祖先が一幅を圧して坐つてゐたことも思はれるのである...
室生犀星 「冬の庭」
...奥深くもぐってはいると...
森鴎外 「山椒大夫」
...心の奥深くからの感動とよろこびを味わっていたのであった...
山本周五郎 「青べか物語」
...信濃高原の西方を繞る山脈の奥深く...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
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