...若党、仲間(ちゅうげん)、小間使、奥女中、下働き、厩番(うまやばん)など、多ぜいの召使にかこまれていましたが、奥方は二、三年まえに亡くなって、いまでは二十歳になる新之丞(しんのじょう)という息子とたった二人っきり……その新之丞は御殿の出仕からまだもどらず、長押(なげし)に槍や薙刀(なぎなた)をかざった居間に、左近将監はたったひとりっきりで、さっきから何やら人待ち顔に、パチリパチリと、碁盤の上に石をならべていました...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...例の奥女中の条が好い...
田山録弥 「西鶴小論」
...それに属する大勢の奥女中が立退くと...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...不義の密通をした奥女中なにがしの顔となり...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...供をつれた奥女中の一枚絵で...
中里介山 「大菩薩峠」
...コツの三百女郎にしか踏めないという奥女中の浮世絵も...
中里介山 「大菩薩峠」
...奥女中は奥女中らしい気品とうま味が出ないものかなあと...
中里介山 「大菩薩峠」
...六人いた奥女中達も皆呼ばれて...
中谷宇吉郎 「御殿の生活」
...旧士族の数人の人々や奥女中達が集って...
中谷宇吉郎 「御殿の生活」
...奥女中のとりなしとを加減して...
長谷川時雨 「大橋須磨子」
...此頃馴染(なじ)んだ奥女中が丁度宿帰りの日に当るのを幸い...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...奥女中の心にさえ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...奥女中あがりを女房にした長屋の男の困却を諧謔の主題にしたものだった...
宮本百合子 「菊人形」
...阿部家の奥女中が目を見合せて笑った...
森鴎外 「渋江抽斎」
...五百は姉小路(あねこうじ)という奥女中の部屋子(へやこ)であったという...
森鴎外 「渋江抽斎」
...あとは奥女中十三人...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...蒔絵の文箱を持った奥女中が矢立に帯を結び...
横光利一 「旅愁」
...吉宗を送って来た奥女中と...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
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