...天気は冬が来る前の秋によくあるように空の奥の奥まで見すかされそうに霽(は)れわたった日でした...
有島武郎 「一房の葡萄」
...奥の奥まで見透ける部屋々々に...
上村松園 「京のその頃」
...ところが奥様はあなたの心の奥の奥まで見透せるんだから...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「魔性の女」
...文明の奥の奥まで理解したにもかかわらず...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...その様子が相手の目の中からその人の心の奥の奥まで見通そうとするようであった...
寺田寅彦 「備忘録」
...ずつと奥の奥まで見透(みすか)してしもうので...
徳田秋聲 「亡鏡花君を語る」
...家内は奥の奥まで冷たい水気がほしいまゝにかけ廻(ま)わる...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...奥の奥まで一と眼に見渡せます...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...道伴れの生活の奥の奥まで反省し合って見度く思う...
宮本百合子 「概念と心其もの」
...テーマの奥の奥まで作家の筆がたっぷりとふれられてゆくか行かないか...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...小さな一疋の蝗のように清く瘠せた神聖な彼(か)の生きものの声は、私の奥の奥まで、しかも雷のようにひびいた...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...それをもって胎内を奥の奥までうるおさなければおさまらない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...冥途(あのよ)の奥の奥までも泌み透して行くような...
夢野久作 「斜坑」
...その奥の奥までを...
吉川英治 「親鸞」
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