...天気は冬が来る前の秋によくあるように空の奥の奥まで見すかされそうに霽(は)れわたった日でした...
有島武郎 「一房の葡萄」
...その答の奥の奥にまた一つの大きい答があるような気がする...
海野十三 「地球盗難」
...ところが奥様はあなたの心の奥の奥まで見透せるんだから...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「魔性の女」
...文明の奥の奥まで理解したにもかかわらず...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...果なくつゞく此深林の奥の奥を想う...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...森の奥の奥に大きな樫(かし)の木があります...
豊島与志雄 「夢の卵」
...その本当のところをどうぞ聞かしてくれ」十九「そんな腹の奥の奥底にある感じなんて僕に有るはずがないじゃありませんか」こう答えた時...
夏目漱石 「行人」
...その灯の漏れたのは、秋葉山の奥の奥、門桁山(かどけたやま)寄りの密林に囲まれた山の上で、人間などの滅多に近寄らぬ神秘境に、素人(しろうと)細工で建てた荒木の小屋でした...
野村胡堂 「江戸の火術」
...平次の言葉の奥の奥には...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「サア」手を取って導かれたのは、奥の奥の、美しく整った小室、真珠色の光の漲って居る中です...
野村胡堂 「焔の中に歌う」
...どこか頭の奥の奥で...
平林初之輔 「探偵戯曲 仮面の男」
...幾多の心の大波の打ち返す奥の奥には「私のお久美さん」が静かに安らかに横わって居た...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...大森の奥の奥沢(おくさわ)というところに...
室生犀星 「生涯の垣根」
...これらの詩がどれほどハアトの奥の奥に深徹してゐるかについて...
室生犀星 「抒情小曲集」
...その家の奥の奥の暮し向きまで包み隠しのないところが...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...かくして事件の真相を奥の奥の核心まで看破すると同時に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...琵琶の奥の奥の道までをきわめたものだそうだが...
吉川英治 「私本太平記」
...その奥の奥までを...
吉川英治 「親鸞」
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