...二十三ほとんど常に夕暮の様な店の奥の乏しい光も...
芥川龍之介 「路上」
...この城郭の奥の方には...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...日本の中部の山の奥の奥で生れたものだから...
太宰治 「猿ヶ島」
...奥さんの方は又非常にぱっとした派手なお顔だちで...
谷崎潤一郎 「細雪」
...そして奥の院のほとりにでも柴の庵を結んで一大事の修行をしようと...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...どつちともわたしにははつきりしません」二人は一緒に奥の部屋を出て外の事務室にはいつて行つた...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「古書の呪い」
...その上奥さんの調子や...
夏目漱石 「こころ」
...その奥にもっともっと複雑な犯罪が潜んで今ブスブス燻(くすぶ)っているような気がしてならなかったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...奥方が嫁入りの時ついて来た女で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...大奥様、今晩のは、幻覚でございます...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...母親が「出て失せう」といひて奥へ這入(はい)らんとするを...
三木竹二 「いがみの権太」
...死骸らしい物のある奥の壁際(かべぎは)に...
森鴎外 「大塩平八郎」
...飛騨(ひだ)の山奥の黍生谷(きびうだに)という村などは...
柳田國男 「日本の伝説」
...その森から峡谷の奥へかけて...
山本周五郎 「おばな沢」
...谷の奥所(おくが)に月輪関白(つきのわかんぱく)兼実(かねざね)の墓があるという...
吉川英治 「私本太平記」
...かつては吉野の奥...
吉川英治 「私本太平記」
...眼で奥を指しながら...
吉川英治 「新書太閤記」
...錠口(じょうぐち)にひかえて、元康の立坐を待っている榊原平七は、家来の身でも、余りなと、焦々(じりじり)思っていたが、元康は根気よく、彼女の不審の解けるまで、宥(なだ)めたり説いたりして、やがてようやく、「では、行って来るぞ」と、奥を出た...
吉川英治 「新書太閤記」
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