...ノックをして奥の仕切を押し開いたが...
海野十三 「恐怖の口笛」
...息せき切って何やら奥田教師に囁(ささや)く...
太宰治 「春の枯葉」
...奥へ通ずる障子の上の欄間に...
豊島与志雄 「阿亀」
...」奥さんは吐き出すように言った...
豊島与志雄 「庶民生活」
...これは、一寸した小料理屋で、表よりに、長卓に腰掛の並んでる土間があり、奥に、畳じきの小さな室が二つあって、料理も酒も相当によく、芸者づれの客なども時折ある家だった...
豊島与志雄 「別れの辞」
...憤然として奥床しく...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...その結果をまとめて書いたものが『仮名遣奥山路』であります...
橋本進吉 「古代国語の音韻に就いて」
...この家に恥は見するなとて父は奥深く這入りて...
樋口一葉 「大つごもり」
...奥平の屋敷も焼かれて仕舞(しま)うだろう...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...なぜ大奥様がここにいらっしゃる? メアリ嬢とは合意しました...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...いつの間にか彼はその店の奥の方迄侵入してゐる事に気が着いた...
牧野信一 「失題」
...また珍らしい草つぱもあることだらうから奥さんのお手伝ひをしなよ...
牧野信一 「バラルダ物語」
...麓の村から二里も入る山奥の製材所の仕事である...
牧野信一 「山を降る一隊」
...(富士見の渡しがそれだとのちにをしへられた)大川のながれから奥深く小さい長方形に屈り入つてゐる一角で...
正岡容 「下町歳事記」
...十一月二十八日に矢島優善(やすよし)が浜町中屋敷詰の奥通(おくどおり)にせられた...
森鴎外 「渋江抽斎」
...おそらくは地名があって後に起った伝説だろうと思うが陸奥南津軽郡浪岡村大字王余魚沢(かれいさわ)を始めとして王余魚の地名は羽後その他にもあった...
柳田國男 「地名の研究」
...案内を知って来た男は奥や二階に通されるという仕かけである...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...「奥山流という刀法を少しばかり学び申した」と...
吉川英治 「剣の四君子」
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