...樹明君が酒と肴とを奢ることになつて用意してゐると...
種田山頭火 「其中日記」
...久子――上山が金が入つたから正衞に奢るつて...
辻村もと子 「春の落葉」
...奢る? だとさ」伯父はいつになく揶揄するやうな調子で言つた...
辻村もと子 「春の落葉」
...おや山嵐の癖(くせ)にどこまでも奢る気だな...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...僕に西洋料理なんか奢る金はないんだからな...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...意志の罪でない以上は西洋料理などを奢る理由がないと威張っているのさ」「なるほど迷亭君一流の特色を発揮して面白い」と鈴木君はなぜだか面白がっている...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...「奢るものは久しからず」の古語を回想せしめる...
蜷川新 「天皇」
...みやこで代役した連中を奢る...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...で今夜は思はぬみいり故生駒が奢るとある...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...珍しく徳山がニューグランドを奢るといふので行き...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...それも家では美味しい料理が出来ないからたまに上手な商売家で晩餐を奢るというなら兎もあれ...
細井和喜蔵 「女給」
...負けたらお前さん一升奢るんだぜ」売られた喧嘩...
正岡容 「寄席」
...飯田! 今日は奢るぞ」柏は楽器を寝台の上へ投出して勢よくいった...
松本泰 「日蔭の街」
...お見舞として箱根の温泉を一週間程奢るから家内をつれて是非来ないかと言う...
宮城道雄 「耳の日記」
...自らを言い張り、知に奢る間、神の前には小さき者、愚かなる者と呼ばれるであろう...
柳宗悦 「工藝の道」
...それに依れば奢る者より質素な者の方が神の意に適っているのです...
柳宗悦 「美の国と民藝」
...都合のよい御返事を申上げて貰うたなら一杯奢るが……」「成る程なあ...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...ひとしきりは毎日二分銀がこの笊に溢れるほどに盛(さか)ったものを」「ははははは奢る平氏久しからず」玄蕃は二人の喞(かこ)ち言(ごと)を聞いて側で笑っていた...
吉川英治 「剣難女難」
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