...車輪形或は花環形の奇異なる草木を徒(いたず)らに連想せしむるのみで...
エンマ・ゴルドマン 伊藤野枝訳 「婦人解放の悲劇」
...奇異なりとて臣某を遣はして視せしむ...
伊波普猷 「ユタの歴史的研究」
...その時私の胸にも一種奇異な感じが起ったであろうが...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...………………嬉(うれ)しくもまたはなはだ奇異なことなのであるが...
谷崎潤一郎 「鍵」
...ちょっと奇異な形をした丈余の自然石だった...
豊島与志雄 「必要以上のもの」
...これが病弱な女性の筆かと一見奇異な感じを與えるものもあるが...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...また役者絵の中(うち)西洋写真の像より思ひ付きて俳優似顔をば線を用ひずして凡(すべ)て朦朧(もうろう)たる淡彩の色を以て描きしはその奇異なる点まさに寛政の写楽が似顔絵に比するも過賞にあらざるべし...
永井荷風 「江戸芸術論」
...先に甲府の牢を破った南条という奇異なる武士の面影(おもかげ)には似ているけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...この発見が少し奇異なくらいに響いたのです...
夏目漱石 「こころ」
...警視庁ではまたしても奇異な一事件が惹起している...
久生十蘭 「魔都」
...ただただ奇異なと云ふ感じを起させる位のものであるが...
堀口九萬一 「東西ほくろ考」
...本来きわめて奇異なものであった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...再び彼女は奇異な笑聲を立てた...
室生犀星 「はるあはれ」
...定めて心細く思ッたのであろう,がしかし愛というものは奇異なもので...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...同じように見慣れない奇異な服装であるから...
柳宗悦 「民藝四十年」
...そして」「人というものは意外なところへ理窟をつけるもので、僧正のこの歌が、やがて、大宮人や、僧門の人々に、喧(やか)ましい問題をまき起す種(たね)になろうとは、われらも、その時は、少しも思いませんでした」「ほほう」僧正自身が、初耳であったように、奇異な顔をして、「なぜじゃろう?」と、つぶやいた...
吉川英治 「親鸞」
...ここを出て行った奇異な虚無僧が吹いているのであろう...
吉川英治 「宮本武蔵」
...そして深夜の奇異な大人たちの行動や灯影のうごきに...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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