...「それは御奇特な事で……」若侍は一文銭のやうに地面に穴があるものなら身を匿したいと思つたらしかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...何と佐助どんは奇特なものではござりませぬかあれをせっかくこいさんが仕込んでおやりなされましたらどうでござります定めし本人も冥加(みょうが)に余り喜ぶことでござりましょうなどと水を向けたのではなかったであろうか...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...いやもう御奇特なことで」堂守の独(ひと)り合点(がてん)は早口調で...
中里介山 「大菩薩峠」
...「奇特なことじゃありませんか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...見物一同これほど奇特な米獅(ピューマ)に免じて彼女を赦さずば...
南方熊楠 「十二支考」
...香奠(こうでん)十円送ります」という奇特な方や...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
...ちよつと世間に少ないほど奇特な小鳥の研究家だといふのである...
吉川英治 「折々の記」
...本尊法起菩薩の宝前に納めおきとうて」「それは御奇特な」「かたがた...
吉川英治 「私本太平記」
...さても御奇特な」と...
吉川英治 「新書太閤記」
...陸上の働き奇特なことである」と...
吉川英治 「新書太閤記」
...苗床(なえどこ)を拵(こしら)えておるのじゃ』『御奇特な』『まったく...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...世には奇特な人もある...
吉川英治 「親鸞」
...世にも奇特な人として...
吉川英治 「親鸞」
...そこの奇特な長者の後家が...
吉川英治 「親鸞」
...(若いのに、奇特な)と、供物(くもつ)を贈る者や、花や御灯(みあかし)を捧げてゆく者もふえ、日と共に、法勝寺の宝前は二十余年の元のすがたに返って、(鹿ヶ谷の住蓮様)(お若い安楽房様)といえば、もう誰も知らない者はないようになっていた...
吉川英治 「親鸞」
...(奇特な男)と思っていたが...
吉川英治 「親鸞」
...その奇特なこころざしに...
吉川英治 「宮本武蔵」
...巌流先生のため、勝祈(かちいの)りまでなされて、遥々とお出でとは、ご奇特なこと...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索