...こんな難有(ありがた)い奇特なことを...
泉鏡花 「悪獣篇」
...何と奇特な事ではないかの...
泉鏡花 「悪獣篇」
...これが奇特な男で...
江戸川乱歩 「一枚の切符」
...御奇特なことでござります」と云ったり...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...何と佐助どんは奇特なものではござりませぬかあれをせっかくこいさんが仕込んでおやりなされましたらどうでござります定めし本人も冥加(みょうが)に余り喜ぶことでござりましょうなどと水を向けたのではなかったであろうか...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...そのうちにある時のこと――金次郎様が村を通りかかりますと、一人のお婆さんがあってね、それが、外に出ていた草鞋(わらじ)を取り上げて、ていねいに、ちょうどお前さんがしたように、押しいただいて内へしまったのを、金次郎様がごらんなさいましてね」八十八「お婆さんが草鞋を押しいただいて内へしまいこんだのを、金次郎様がごらんになってな、はて珍しい、奇特なことだと、そのお婆さんに問いただしてみると、そのお婆さんは、日頃からちゃんと鳩ヶ谷の三志様の教えをお聞き申している――ということがわかって、金次郎様がなるほどと感心をなさって、そういうわけならばわしもひとつ三志様にお頼みをしようと、それから金次郎様が三志様をお招きになって、村人に説教をしてお聞かせ下さる、村人が追々に金次郎様の御誠心と、三志様の御説教がわかってきて、桜町の復興のことも立派に成就(じょうじゅ)いたしました...
中里介山 「大菩薩峠」
...古いお知合でお困りの方をお入れ申して居ります」「それは奇特なことだな――どんな人が入つて居るんだ」翁屋小左衞門が慈悲人情を辨(わきま)へるといふ話は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「奇特なことぢやありませんか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...怪談会の会場に提供してくれるような奇特な女郎屋は今の東京にはあるまい...
平山蘆江 「怪談」
...実に奇特なことである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...奇特な人は他家のお葬いにでも帽子を脱ぐといった塩梅(あんばい)式になります...
夢野久作 「鼻の表現」
...ちよつと世間に少ないほど奇特な小鳥の研究家だといふのである...
吉川英治 「折々の記」
...大分裁判所の奇特な一檢事さんが...
吉川英治 「折々の記」
...よし自分が書いてやらうといふ御奇特な人がありましたら遠慮なく書いてひとつうまくラストまで※めてみて頂きたい...
吉川英治 「折々の記」
...さても御奇特な」と...
吉川英治 「新書太閤記」
...そこの奇特な長者の後家が...
吉川英治 「親鸞」
...その奇特な――若い僧という者の素姓を洗ってみると...
吉川英治 「親鸞」
...もし誰か奇特な仁があって...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「真珠の首飾り」
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