例文・使い方一覧でみる「奇態な」の意味


スポンサーリンク

...奇態なことに、別に臭気というものを感じなかったけれど、――それは後に至って、一種の瓦斯(ガス)マスクが懸けられていたので、臭気を感じなかったことが判った――このパッと差し込んだ明るさと、パチパチと物の焼け裂けるような音響とは、八十助に絶望を宣告したも同様だった...   奇態なことに、別に臭気というものを感じなかったけれど、――それは後に至って、一種の瓦斯マスクが懸けられていたので、臭気を感じなかったことが判った――このパッと差し込んだ明るさと、パチパチと物の焼け裂けるような音響とは、八十助に絶望を宣告したも同様だったの読み方
海野十三 「火葬国風景」

...奇態なものを見つけたゆえ...   奇態なものを見つけたゆえの読み方
太宰治 「地球図」

...奇態な邂逅(かいこう)したところ...   奇態な邂逅したところの読み方
太宰治 「火の鳥」

...何か奇態な啼き声を出す怪しい奴(やつ)が隠れているとでも思ったのであろう...   何か奇態な啼き声を出す怪しい奴が隠れているとでも思ったのであろうの読み方
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」

...何か奇態な啼き声を出す怪しい奴が隠れてゐるとでも思つたのであらう...   何か奇態な啼き声を出す怪しい奴が隠れてゐるとでも思つたのであらうの読み方
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」

...どうも奇態な男だ...   どうも奇態な男だの読み方
寺田寅彦 「根岸庵を訪う記」

...「驢馬先生、おまえのこのひと言は金貨一枚だけの値打ちがあるぞ、ほんとに今日おまえにくれてやるわい、だが、そのほかのことは嘘だぞ、まっかな嘘だぞ、なあこら、おばかさん、われわれ一同がこの世で信仰を持たないのは心があさはかなからだ、なにしろ、暇がないからなあ、第一、いろんな用事にかまけてしまう、第二に神様が時間をろくろく授けてくださらないで、せいぜい一日が二十四時間やそこいらでは、悔い改めるはさておき、十分に眠る暇もないからなあ、ところが、おまえが敵の前で神様を否定したのは、信仰のことよりほかには考えられないような場合で、しかも是が非でも自分の信仰心を示さなくっちゃならないような土壇場(どたんば)じゃないかい! おいどうだ、きょうだい、一理あるだろうじゃないか?」「一理あるにはありますがね、まあ、よく考えて御覧なさい、グリゴリイ・ワシーリエヴィッチ、一理あればこそ、なおのこと、わたしにとって罪が軽くなるというものです、もしわたしが間違いのない正当な信仰を持っていたとしたら、その信仰のための受難に甘んじないで、けがらわしい回々教(フイフイきょう)へ転んだのは、全く罪深いことに違いありませんよ、しかし、それにしても、責め苦を受けるというところまではいかないで済んだはずですよ、だって、その時、眼の前の山に向かって、さあ動いて来て敵をつぶしてしまえと言いさえすれば、山は即刻動きだして、敵のやつらを油虫かなんぞのように押しつぶしてしまったはずです、そうすれば、わたしは何ごともなかったように、鼻うたでもうたいながら、神の栄光をたたえながら引き上げて行きますよ、ところが、もしその土壇場になって、そのとおりにやってみて、わたしがその山に向かって敵を押しつぶしてくれと、わざと大きな声でどなったところで、山がいっこう敵を押しつぶしてくれそうにないとしたら、わたしだってそんな恐ろしい命がけの場合に、どうして疑いを起こさずにいられるものですか? それでなくても、とても天国へなどまともに行きつけるものでないことを承知していますのに(だって、わたしの声で山が動かなかったところをみると、天国でもわたしの信仰をあまり信用してくれなさそうですから、たいした御褒美(ごほうび)があの世でわたしを待っているようにも思われませんからね)、何をすき好んで、そのうえ、役にも立たないのに自分の生皮を剥(は)がせる必要がありましょう? たとえ、もう半分背中の皮を剥がれながらわたしがどなったりわめいたりしてみたところで、山はびくともしやしませんからね、こんな瞬間には疑いが起こるくらいは愚かなこと、恐ろしさのあまりに、思慮分別もなくなるかもしれません、いや、分別を巡らすなんてことは全然不可能です、してみれば、この世でもあの世でも、自分に何の得になることでもなく、たいして御褒美にもあずかれないとわかったら、せめて自分の皮だけでも大事にしようと思ったからとて、それがいったいどれだけ悪いことでしょう? ですから、わたしは神様のお慈悲を当てにして、何事もきれいに許していただけるものと、どこまでもそう思っているのです」八 コニャクを飲みながら討論はこれで終わったが、奇態なことに、あれほど上々の御機嫌であったフョードル・パーヴロヴィッチが、終わりごろから急に苦い顔をしだした...   「驢馬先生、おまえのこのひと言は金貨一枚だけの値打ちがあるぞ、ほんとに今日おまえにくれてやるわい、だが、そのほかのことは嘘だぞ、まっかな嘘だぞ、なあこら、おばかさん、われわれ一同がこの世で信仰を持たないのは心があさはかなからだ、なにしろ、暇がないからなあ、第一、いろんな用事にかまけてしまう、第二に神様が時間をろくろく授けてくださらないで、せいぜい一日が二十四時間やそこいらでは、悔い改めるはさておき、十分に眠る暇もないからなあ、ところが、おまえが敵の前で神様を否定したのは、信仰のことよりほかには考えられないような場合で、しかも是が非でも自分の信仰心を示さなくっちゃならないような土壇場じゃないかい! おいどうだ、きょうだい、一理あるだろうじゃないか?」「一理あるにはありますがね、まあ、よく考えて御覧なさい、グリゴリイ・ワシーリエヴィッチ、一理あればこそ、なおのこと、わたしにとって罪が軽くなるというものです、もしわたしが間違いのない正当な信仰を持っていたとしたら、その信仰のための受難に甘んじないで、けがらわしい回々教へ転んだのは、全く罪深いことに違いありませんよ、しかし、それにしても、責め苦を受けるというところまではいかないで済んだはずですよ、だって、その時、眼の前の山に向かって、さあ動いて来て敵をつぶしてしまえと言いさえすれば、山は即刻動きだして、敵のやつらを油虫かなんぞのように押しつぶしてしまったはずです、そうすれば、わたしは何ごともなかったように、鼻うたでもうたいながら、神の栄光をたたえながら引き上げて行きますよ、ところが、もしその土壇場になって、そのとおりにやってみて、わたしがその山に向かって敵を押しつぶしてくれと、わざと大きな声でどなったところで、山がいっこう敵を押しつぶしてくれそうにないとしたら、わたしだってそんな恐ろしい命がけの場合に、どうして疑いを起こさずにいられるものですか? それでなくても、とても天国へなどまともに行きつけるものでないことを承知していますのにがあの世でわたしを待っているようにも思われませんからね)、何をすき好んで、そのうえ、役にも立たないのに自分の生皮を剥がせる必要がありましょう? たとえ、もう半分背中の皮を剥がれながらわたしがどなったりわめいたりしてみたところで、山はびくともしやしませんからね、こんな瞬間には疑いが起こるくらいは愚かなこと、恐ろしさのあまりに、思慮分別もなくなるかもしれません、いや、分別を巡らすなんてことは全然不可能です、してみれば、この世でもあの世でも、自分に何の得になることでもなく、たいして御褒美にもあずかれないとわかったら、せめて自分の皮だけでも大事にしようと思ったからとて、それがいったいどれだけ悪いことでしょう? ですから、わたしは神様のお慈悲を当てにして、何事もきれいに許していただけるものと、どこまでもそう思っているのです」八 コニャクを飲みながら討論はこれで終わったが、奇態なことに、あれほど上々の御機嫌であったフョードル・パーヴロヴィッチが、終わりごろから急に苦い顔をしだしたの読み方
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」

...かてて加えて、奇態な、まるで思いもかけぬいろいろの欲望が目ざめて、彼を苦しめるのであった...   かてて加えて、奇態な、まるで思いもかけぬいろいろの欲望が目ざめて、彼を苦しめるのであったの読み方
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」

...「東京新繁昌記」に試みられた奇態な文体と同様な...   「東京新繁昌記」に試みられた奇態な文体と同様なの読み方
永井荷風 「虫干」

...奇態なことにあの馬は生れながら後足が三寸ばかり短いのでとても役に立たねえのです...   奇態なことにあの馬は生れながら後足が三寸ばかり短いのでとても役に立たねえのですの読み方
長塚節 「才丸行き」

...おれは奇態なほどその女にひきつけられてしまった...   おれは奇態なほどその女にひきつけられてしまったの読み方
西尾正 「放浪作家の冒険」

...しかも僕の元来の綽名(あだな)は「奇態な空想家」ではなかったか...   しかも僕の元来の綽名は「奇態な空想家」ではなかったかの読み方
原口統三 「二十歳のエチュード」

...不意にシャーという奇態な音がしはじめたので...   不意にシャーという奇態な音がしはじめたのでの読み方
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」

...まったく以って奇態な人々である...   まったく以って奇態な人々であるの読み方
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」

...」「奇態なことだよ...   」「奇態なことだよの読み方
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」

...一種独特な奇態な服装を要求したかとも思はれた...   一種独特な奇態な服装を要求したかとも思はれたの読み方
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」

...ほんとに奇態な変り者だ...   ほんとに奇態な変り者だの読み方
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」

...また奇態な事は従来男児に限って狼に養われたらしいと...   また奇態な事は従来男児に限って狼に養われたらしいとの読み方
南方熊楠 「十二支考」

「奇態な」の書き方・書き順

いろんなフォントで「奇態な」

「奇態な」の英語の意味


ランダム例文:
がちんがちん   下に置く   訓練をする  

チーズローリングと世界一硬いチーズ

便利!手書き漢字入力検索

👨話題の人々👩
「推し」を登録

時事ニュース漢字 📺
停戦合意   最悪期   原点回帰  

スポンサーリンク

トップへ戻る