...父君ブラゼンバートは、嬰児(えいじ)と初の対面を為し、そのやわらかき片頬を、むずと抓(つね)りあげ、うむ、奇態のものじゃ、ヒッポのよい玩具が出来たわ、と言い放ち、腹をゆすって笑った...
太宰治 「古典風」
...奇態な邂逅(かいこう)したところ...
太宰治 「火の鳥」
...奇態な邂逅したところ...
太宰治 「火の鳥」
...餘所(よそ)ながら此の奇態(きたい)な顔を隙見(すきみ)させて貰(もら)っては快感に浸っていたので...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...といったような奇態な電車である...
寺田寅彦 「軽井沢」
...彼等が悪口の種にならぬ限りに於て自己独特の奇態を流行させようなどゝいふ野望を常に抱いてゐるといふこともよく分つてゐよう...
中原中也 「蜻蛉」
...わけても気になる奇態な肉瘤(こぶ)...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...おれは奇態なほどその女にひきつけられてしまった...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...ひととおり背後をふりかえってからせんこくの奇態な殺人事件を...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...奇態に彼の庭では美しく藝術的なものに見えるのである...
萩原朔太郎 「所得人 室生犀星」
...龕灯(がんどう)いらずに物もさがせば細かい仕事もするという奇態な眼を持っているので...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...奇態なこともあるものだ! 今度も負けになつてしまつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...突き飛ばされる毎にバッタのように驚いてハードル跳びを続けて行く奇態な跛馬と...
牧野信一 「ゼーロン」
...奇態と云っても……まあ好いだろう……それに近い...
松永延造 「職工と微笑」
...やがて愛(あい)ちやんは空中(くうちゆう)に奇態(きたい)なものゝ現(あら)はれてるのに氣(き)がつきました...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...奇態に記憶のよい男で...
南方熊楠 「十二支考」
...「奇態なことをするおいぼれ共だ...
山本周五郎 「思い違い物語」
...その奇態な風態の子供を見まもった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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