...生徒達は最も奇態な...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...奇態なことに、別に臭気というものを感じなかったけれど、――それは後に至って、一種の瓦斯(ガス)マスクが懸けられていたので、臭気を感じなかったことが判った――このパッと差し込んだ明るさと、パチパチと物の焼け裂けるような音響とは、八十助に絶望を宣告したも同様だった...
海野十三 「火葬国風景」
...奇態な鍬の打ちかたで...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...父君ブラゼンバートは、嬰児(えいじ)と初の対面を為し、そのやわらかき片頬を、むずと抓(つね)りあげ、うむ、奇態のものじゃ、ヒッポのよい玩具が出来たわ、と言い放ち、腹をゆすって笑った...
太宰治 「古典風」
...この古ぼけた奇態な...
太宰治 「女生徒」
...その甲斐(かい)もなく三十年連続の落選という何の取りどころも無き奇態の人物に御座候えども...
太宰治 「花吹雪」
...何か奇態な啼き声を出す怪しい奴が隠れてゐるとでも思つたのであらう...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...どうも奇態な男だ...
寺田寅彦 「根岸庵を訪う記」
...奇態なくらいに子供が好きになったのだ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...鳴呼、昨日經る所幾十里、今日過くる所幾乎、村山水の奇態、高きもの、長きもの、遠きもの、近きもの、低きもの、河の緩なるもの、急なるもの、廣きもの、狹きもの、深きもの、淺きもの或は奇なるもの、或は平かなもの之を數ふれば幾十百、其間天下の勝たる可きもの盖しなきにあらざるべし...
長塚節 「草津行」
...彼等が悪口の種にならぬ限りに於て自己独特の奇態を流行させようなどゝいふ野望を常に抱いてゐるといふこともよく分つてゐよう...
中原中也 「蜻蛉」
...これは奇態(きたい)に悪意に用うることがほとんどない...
新渡戸稲造 「自警録」
...龕灯(がんどう)いらずに物もさがせば細かい仕事もするという奇態な眼を持っているので...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...やがて、途中にある支流の小川を飛び越えようとした時――全速力で駈けてゐた馬が不意に立ちどまつて、彼の方へ首を捩ぢむけると、奇態なことに、笑ひ声をあげた! そして白い歯並が闇の中で光つた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...『まつたくこれは奇態な本だ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...わけもなく背中に水を浴せられたやうな思ひに打たれて(誰の眼もない隅でそんな奇態な行動をとる自身の姿が青空に嗤はれてゐる気がする!)首を縮めて逃げ出すのであつた...
牧野信一 「籔のほとり」
......
牧野富太郎 「植物一日一題」
...奇態なことが認められる...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トビアス・ミンデルニッケル」
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