...仙吉は滅茶々々にされて崩れ出しそうな顔の輪廓を奇態に歪めながらひい/\と泣いて居たが...
谷崎潤一郎 「少年」
...それがいかにも奇態で場ちがいだった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...実に奇態なことが起こったのである...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...またいたるところに絶えず由来のわからない奇態なふしぎな醜い下品な言葉が出てくる...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...鳴呼、昨日經る所幾十里、今日過くる所幾乎、村山水の奇態、高きもの、長きもの、遠きもの、近きもの、低きもの、河の緩なるもの、急なるもの、廣きもの、狹きもの、深きもの、淺きもの或は奇なるもの、或は平かなもの之を數ふれば幾十百、其間天下の勝たる可きもの盖しなきにあらざるべし...
長塚節 「草津行」
...薄(うす)ら明(あか)りにや見(め)えんだなんていふんだがそんでも奇態(きたえ)なのせどうも...
長塚節 「土」
...奇態(きたい)だよそんだが桃(もゝ)噛(かぢ)つてつと鼻(はな)ん中(なか)さ埃(ほこり)へえんねえかんな...
長塚節 「土」
...自分で自分から離れるなどいう奇態な業(わざ)が...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...しかも僕の元来の綽名(あだな)は「奇態な空想家」ではなかったか...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...その奇態な自分の言葉でもって...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...まったく以って奇態な人々である...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...ところで奇態なことに...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...突き飛ばされる毎にバッタのように驚いてハードル跳びを続けて行く奇態な跛馬と...
牧野信一 「ゼーロン」
...綺麗な仕事を眺めてゐるうちに奇態な有頂天を覚えて...
牧野信一 「パンアテナイア祭の夢」
...「奇態ですな……」と私は一人で云った...
松永延造 「職工と微笑」
...その直隣りのアイヌ人がかくまで鶏に無頓著(むとんじゃく)だったは奇態だが...
南方熊楠 「十二支考」
...「奇態なことをするおいぼれ共だ...
山本周五郎 「思い違い物語」
...「――やっ?」「――や?」「――や? 奇態な奴」果たせるかな...
吉川英治 「宮本武蔵」
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