...川のふちの、森の暗い影に、なにか巨大な、奇態な形をした、黒いものがそそり立っていた...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「スリーピー・ホローの伝説」
...奇態の事実がありはせまいか...
伊藤左千夫 「家庭小言」
...奇態な鍬の打ちかたで...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...父君ブラゼンバートは、嬰児(えいじ)と初の対面を為し、そのやわらかき片頬を、むずと抓(つね)りあげ、うむ、奇態のものじゃ、ヒッポのよい玩具が出来たわ、と言い放ち、腹をゆすって笑った...
太宰治 「古典風」
...どうもなんだか奇態に見えたからである...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...何かしら奇態な代物にすぎないのである...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...神が本当に存在するというのが不思議でも奇態でもなくって...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...奇態なくらいに子供が好きになったのだ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...奇態なのは憂愁そのものではなくて...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...奇態に彼の庭では美しく藝術的なものに見えるのである...
萩原朔太郎 「所得人 室生犀星」
...何といふ奇態なことだ? それは祭司の家の野菜畑にある鳩舎ぢやないか! 片つ方にも...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...ところで奇態なことに...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...わけもなく背中に水を浴せられたやうな思ひに打たれて(誰の眼もない隅でそんな奇態な行動をとる自身の姿が青空に嗤はれてゐる気がする!)首を縮めて逃げ出すのであつた...
牧野信一 「籔のほとり」
...「奇態ですな……」と私は一人で云った...
松永延造 「職工と微笑」
...奇態なことが認められる...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トビアス・ミンデルニッケル」
...さて鮫の一類に撞木鮫(しゅもくざめ)英語でハンマー・ヘッデット・シャーク(槌頭の鮫)とて頭丁字形を成し両端に目ありすこぶる奇態ながインド洋に多く欧州や本邦の海にも産するのが疑いなくかの佐比神だ...
南方熊楠 「十二支考」
...奇態に記憶のよい男で...
南方熊楠 「十二支考」
...この木の下でときどき奇態なことをして見せます...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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