...それに奇態に派手な模様のものばかりで...
太宰治 「服装に就いて」
...もっとも奇態なことには...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ここで奇態な人間だと...
中里介山 「大菩薩峠」
...ひととおり背後をふりかえってからせんこくの奇態な殺人事件を...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...その時にヴイレンの言うには、私が旅順に籠城した時日本の軍隊が進んで来る、日本軍といっても旅順のことだからバラバラに殆んど一人ずつもしくは二人三人ずつ日本兵が来襲した、上からドンとやると斃(たお)れる、斃れると直ぐにまた外の兵がやって来て、戦友の骸を踏んで進む、いくら倒しても後からやって来る、実に恐ろしい人間だと思ったその後俘虜になって松山にいる間に夜、日本の兵士が戦友の骸を踏んで進んで来る有様が幻のように脳髄に浮んだ、奇態のことだ、かくのごときはただの命令で出来るものでないこれは何か日本人の教育の然らしむる所があるに相違ないと思って日本人の心理学に付いて研究を始めたが、一体どういう訳だろうと言うて頻に尋ねました...
新渡戸稲造 「教育家の教育」
...僕はますます奇態(きたい)に思って...
新渡戸稲造 「自警録」
...龕灯(がんどう)いらずに物もさがせば細かい仕事もするという奇態な眼を持っているので...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...何か奇態(きたい)なお言葉を耳にしたように思いますが……...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...それにしても群集の気配が余りにも馬耳東風なのがむしろ私は奇態だった...
牧野信一 「鬼涙村」
...綺麗な仕事を眺めてゐるうちに奇態な有頂天を覚えて...
牧野信一 「パンアテナイア祭の夢」
......
牧野富太郎 「植物一日一題」
...「奇態な壺ですな...
松永延造 「職工と微笑」
...斯(か)うして自分(じぶん)の涙(なみだ)の中(なか)に溺(おぼ)れるなンて―眞箇(ほんと)に奇態(きたい)だわ!けども今日(けふ)は何(なに)も彼(か)も皆(みん)な變(へん)よ』折(をり)も折(をり)...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...面白く奇態に聞えるからである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...欠陥だらけな事実の印象を獲るよりか……」「現実慾に燃えながら……まあ奇態な言葉ですのね...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...その直隣りのアイヌ人がかくまで鶏に無頓著(むとんじゃく)だったは奇態だが...
南方熊楠 「十二支考」
...「奇態なことをするおいぼれ共だ...
山本周五郎 「思い違い物語」
...滿谷(みつたに)君外三人の画家が象鼻(ざうび)を上げた様な奇態な形の瓦楼(ぐわろう)の一角(かく)を写生し終るのを待つて一緒に郊外に出たが...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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