...リップが長い胡麻塩ひげを生やし、錆びついた鳥打ち銃をもち、奇態な服装で、大ぜいの女子供をうしろに従えてあらわれると、すぐに政治家気取りの酒場の論客たちの目をひいた...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「リップ・ヴァン・ウィンクル」
...父君ブラゼンバートは、嬰児(えいじ)と初の対面を為し、そのやわらかき片頬を、むずと抓(つね)りあげ、うむ、奇態のものじゃ、ヒッポのよい玩具が出来たわ、と言い放ち、腹をゆすって笑った...
太宰治 「古典風」
...その奇態の骨の肩先にまぎれもなく...
太宰治 「新釈諸国噺」
...奇態なものを見つけたゆえ...
太宰治 「地球図」
...仙吉は滅茶々々にされて崩れ出しそうな顔の輪廓を奇態に歪めながらひい/\と泣いて居たが...
谷崎潤一郎 「少年」
...此の可哀そうな御面相の殿様が奇態な声を出して甘ったるい言葉をかけるとき...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...その話題は奇態なものであった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...かてて加えて、奇態な、まるで思いもかけぬいろいろの欲望が目ざめて、彼を苦しめるのであった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...どうも奇態きはまる話さ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...その奇態な自分の言葉でもって...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...」「奇態なことだよ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...やがて愛(あい)ちやんは空中(くうちゆう)に奇態(きたい)なものゝ現(あら)はれてるのに氣(き)がつきました...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...奇態なことが認められる...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トビアス・ミンデルニッケル」
...面白く奇態に聞えるからである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...欠陥だらけな事実の印象を獲るよりか……」「現実慾に燃えながら……まあ奇態な言葉ですのね...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...野生して今に(およ)んだも奇態だ...
南方熊楠 「十二支考」
...――えおっッ!奇態な声を発しながら槍を手繰(たぐ)り返すと阿巌(あごん)は...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「――やっ?」「――や?」「――や? 奇態な奴」果たせるかな...
吉川英治 「宮本武蔵」
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