...稀(まれ)にではあるが彼もその奇怪な性格の中からみごとなものを顔まで浮きださせることがある...
有島武郎 「星座」
...指揮官望月大尉ののった彗星一号艇が奇怪なる消失...
海野十三 「宇宙戦隊」
...不慮(ふりょ)の奇怪な人死(ひとじに)がちょいちょいあったという妙な噂もあるので...
海野十三 「鬼仏洞事件」
...奇怪な空間を形作(かたづく)っている...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...傷口の小さ過ぎる事などよりは更(さ)らに一層奇怪な感じを与えるのだ...
江戸川乱歩 「悪霊」
...第一に畑柳家の書斎での、奇怪な殺人、続いて死体の紛失、怪物を発見して、追駆けて見ると、例のマンホール利用の消失と、不思議が次々と重なった為に、何でもないことが、妖術めいて見えたのであろう...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...この日頃の奇怪なる経験は...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...娘は奇怪なる犯罪の事実を告白に及んだ...
江見水蔭 「怪異暗闇祭」
...至極不可解きわまる奇怪な事件が持ちあがった...
大阪圭吉 「石塀幽霊」
...いまの世に、こんな奇怪な、こんな凄惨なことが、じっさいにあったのだろうか? とみなさまは、お疑いになられるかもしれません...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...ばらりと振った采配に、ひらりと変る陣備え、変るが早いか、おててこて、猫に、鳶に、河童の屁、いざ来い、来れっ、と待ち受けたりーいっ」南玉は、顔を赤くし、少し、額に汗を出して、伸び上りながら「謙信公は、これを見て、やああ、奇怪なり、くそ坊主、いで目に物見せてくれん、ついでに、素っ首土産にしょ、と、抜き放ったる業物は、備前の住人、大兼光、三尺八寸二分二厘、真向、上段、大上段、頭の頭上に振りかざし、当るを幸い、右左、前後左右に、前後、細かに切ったが千六本、細かく突いたがところてん...
直木三十五 「南国太平記」
...はたして俺を……九奇怪なる手記はここで終っております...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...この奇怪な出来事を悪霊の力に依つて判じようと考へたのであらう...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...黒い地面から伸びた姿は奇怪なキノコのようだった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「四日闇夜」
...逆へば逆ふほど翼ある馬の奇怪な幻は見るも鮮やかに虚空を蹴り...
牧野信一 「夜見の巻」
...いろ/\な奇怪な昔ばなしを...
正宗白鳥 「雨」
...また先夜の奇怪な者がやってまいります」「身を隠しておれ...
吉川英治 「江戸三国志」
...それらと奇怪な対照をなす真赤な薄い脣――これらは一体...
蘭郁二郎 「蝕眠譜」
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