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伊東静雄 「わがひとに与ふる哀歌」
...おうちのかっこうをいっそう奇妙に見せているのでした...
江戸川乱歩 「大金塊」
...と奇妙に楽観していたのです...
太宰治 「新樹の言葉」
...と言っていいくらいの奇妙に空転したプライドの中に君たちが平気でいつも住んでいるものとしたら...
太宰治 「如是我聞」
...彼女は孰方(どちら)かと云えば洋食党で、鮨は格別好きと云う程ではないのだけれども、東京に二た月三月もいて、赤身の刺身ばかり食べさせられることが続くと、あの明石鯛の味が舌の先に想い出されて来、あの、切り口が青貝のように底光りする白い美しい肉の色が眼の前にちらついて来て、それが奇妙にも、阪急沿線の明るい景色や、蘆屋の姉や妹や姪(めい)などの面影と一つもののように見え出すのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...あの奇妙に角張った威嚇が存在するために外(ほか)ならない...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...カフカの奇妙に無口で寓意的=現実的な洞察力のうちには...
原田義人 「「世界文学大系58 カフカ」解説」
...金五郎と芸者とが、街を歩いていた姿は、自分も見かけたし、兄林助からも聞かされていたので、源十と時次郎とが、金五郎と一緒でなかったことは別に不思議には思わなかったけれども、子分たちの、奇妙に、秘密めかした、マンを憚っているような、意味ありげな様子が、気にかかった...
火野葦平 「花と龍」
...夫が奇妙に居なくなることが私の人生では一つの希望なのです...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...シルバデール公爵が奇妙に邸宅から居なくなってその間...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...なぜ奇妙に動揺するのか...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...普断の顔と奇妙にあいつは...
牧野信一 「ダイアナの馬」
...こんな悪ふざけをしたならば、この先自分が誤つて臆病な身振りをすることがあつても、さつきのやうにテレることがなくなるかも知れない――滝にはそんな狡い考へもあつたが、それは寧ろ片隅の言訳めいて、奇妙に、真面目な「悪ふざけ」がして見たいやうな狂暴を感じました...
牧野信一 「舞踏会余話」
...奇妙に釣合いがとれているようだった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...優しく奇妙に微笑している唇は...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...奇妙にもそれとよく釣り合っているのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「予言者の家で」
...大いなる種族が奇妙にも恐れをなす途方もなく大きな...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
...百済観音の奇妙に神秘的な清浄な感じは...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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