...探偵はそんな奇妙な人の顔があらわれたことなど少しも知りませんでした...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...それは奇妙な事だった...
大阪圭吉 「花束の虫」
...彼は地平線に見えるレカルヴァー沿岸警備出張所の奇妙な二つの建物を目標にして...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「歌う白骨」
...なんともつかぬ奇妙な御酒宴もこのごろは...
太宰治 「右大臣実朝」
...頭のなかには奇妙なナオミの幻ばかりが浮かんで来て...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...顔を一寸洗はなくちや」上下のシャツだけといふ奇妙な恰好で房一が台所に降りかけた時...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...しかし彼は奇妙な興味を唆(そそ)られない訳でもなかった...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...いま一つの奇妙な針というのは...
中谷宇吉郎 「黒い月の世界」
...それは如何にも奇妙な...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...女の奇妙なありさまをじいっとみつめているらしく...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...現実からはづれたやうな奇妙な感じだつた...
林芙美子 「浮雲」
...胸を締めつけられるような奇妙な感情の中へ溺れこんでしまうのです...
久生十蘭 「キャラコさん」
...「奇妙なことが起ったですよ」「なんごと?」「先刻(さっき)...
火野葦平 「花と龍」
...春夫が奇妙な生き恥を文学上さらしているのと好一対...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...一刻々々と次々にどんなに奇妙な...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...タッタ今踏み付けた奇妙な吸殻の事をキレイに忘れてしまっていた...
夢野久作 「老巡査」
...鳥とも獣(けだもの)とも附かぬ奇妙な声がケタタマシク彼を驚ろかした...
夢野久作 「笑う唖女」
...名もつけようのない奇妙なその五里の幅の地上は...
横光利一 「旅愁」
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