...突然歌舞練場(かぶれんぢやう)の前へ出てしまったから奇体(きたい)である...
芥川龍之介 「京都日記」
...その時分に東京には奇体(きたい)な現象があって...
内村鑑三 「後世への最大遺物」
...ところが奇体なことに...
海野十三 「地球盗難」
...スルと奇体なものにて十分に三十秒位ずつ何だか漫然と感興が湧いて参り候...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...「一体、あの音は何だろう」「この間の雷鳴(かみなり)と云い、不思議なことじゃ」「俺は七十になるが、まだこんな不思議なことに逢ったことはない、奇体なことじゃ、これは何かの兆(しらせ)と思われる」その翌日の昼比不意に旋風が起って、村の百姓屋の物置小屋を捲きあげて春日川の川中へ落した...
田中貢太郎 「不動像の行方」
...あの奇体なギリシャ・ドイツ折衷式脚本の一つであった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...オリヴィエが出会ったもっとも奇体な人物は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ラーペの仲仕からモンフォーコンの屠獣者(とじゅうしゃ)に至るまであらゆる奇体な典型(タイプ)が群がっている...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...同じ奇体な分析病のために...
中島敦 「文字禍」
...まるで足を空に向けて歩く奇体(きたい)な人間に異ならなかった...
夏目漱石 「こころ」
...西の者で南の方から養子に来たものの宅(うち)はどこだと奇体な質問を掛けた...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...塩水に溶解するから奇体ですよとの追加があったので...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...ヤマビコとなつて頭の上を飛んでゐる奇体なワラヒ声を睨みあげた...
牧野信一 「沼辺より」
...河(かわ)へ出ている広い泥岩の露出で奇体(きたい)なギザギザのあるくるみの化石(かせき)だの赤い高師小僧(たかしこぞう)だのたくさん拾(ひろ)った...
宮沢賢治 「或る農学生の日誌」
...じつに奇体(きたい)に見えました...
宮沢賢治 「かしわばやしの夜」
...一本だけは奇体(きたい)に黄いろなんだろう...
宮沢賢治 「黄いろのトマト」
...ずいぶん奇体(きたい)だねえ...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...しかも彼の形といへない奇体な形...
室生犀星 「故郷を辞す」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??