...霊魂の世界に奇しき光を放つ怪異なるものゝ美しさ! 之はヘルンの異常な趣味性癖に適(かな)ふものであります...
稲垣巖 「父八雲を語る」
...これほど世の中に奇しき見世物があるであろうか...
海野十三 「宇宙女囚第一号」
...実になんという奇しき対面であろう...
海野十三 「三人の双生児」
...あやしく奇しきは...
太宰治 「惜別」
...私は奇しきよろこびを感じつつ...
太宰治 「断崖の錯覚」
...奇しき事もあるものかな...
太宰治 「盲人独笑」
...思へば運命は奇しきものである...
種田山頭火 「其中日記」
...救世主が三つの奇しき事蹟によって公現したもうたことを祝う日...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...これらの事件の奇しき一致は果して単なる偶然でありましょうか? それとも天主の妙なる摂理でありましょうか?日本の戦力に止めを刺すべき最後の原子爆弾は元来他の某都市に予定されてあったのが...
永井隆 「長崎の鐘」
...わずかに生き残った人々が奇しき因縁を互いに感じ...
永井隆 「長崎の鐘」
...巡り会うとは、奇しき縁...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...その時惡魔がヴアイオリンを手にとつていとも巧に彈奏し出したのは到底彼の企て及ばざりし奇しき一曲...
堀辰雄 「鳥料理」
...三方は奇しき木の林に包まれ...
正岡子規 「花枕」
...奇しき力を身に兼ねて...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...恐らく奇しき今の境遇は...
吉川英治 「剣難女難」
...何という奇しき意外な発心(ほっしん)...
吉川英治 「剣難女難」
...奇しき前身や縁故をつぶさに知ったけれど...
吉川英治 「茶漬三略」
...その線の奇しき律動によって...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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