...「失礼ながら私は...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...失礼ながらまだ被害地の実地を御らんにならぬからだと思います...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...「――万歳? あ、あれはええものだす、……そやけど、何だつせ、わてが今からちやんと云うとくけど、あんたはん、えらい出世しますで、……失礼ながら、お父はんどこやあらへん」「――さうかい、そりやあまり当てにならないね、……お稲荷さん、こちらも見てあげてくれ、見料(けんれう)として、もう一本つけさせよう」老人は、相手があまり信用してゐない風を見せたのに、ちよつと不平さうにしたが、お銚子が来たので、「――さうやな、……あんた、ゆうべ、けさがた、どないな夢を見やはつた」と、私の方へ向いた...
武田麟太郎 「大凶の籤」
...失礼ながら、あなたは無垢(むく)です...
太宰治 「風の便り」
...失礼ながら私より一つか二つ上のように伺っておりましたが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...失礼ながら一言(いちごん)御注意(ごちゅうい)しますが...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...しかし、失礼ながら、われわれはお互いにまだ十分話し合わなければならない...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...自分の地下生活のみじめな話だけしておけばいいので、われわれ一同なんて僣越なことはよしてもらおう』だが、失礼ながら、諸君、わたしはなにもこの一同よばわりを、いいわけの道具に使おうなどと思っているのではない...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...失礼ながら、このくらいに描ける絵かきは、田舎なんぞにそうたんとは転がっておりませんよ」「恐縮です」「一枚描いて下さらんか」「御希望なら、描いて上げてもいいです」「なんでしたら、わしの屋敷へおいで下さらんか」「おたずねしてもよいが、どちらですか」「相馬です」「相馬――相馬中村ですか」「そうです、これから、北へと測量して行って相馬へ行くのですが、相馬で仕事が終るわけではありません、屋敷は相馬にあるけれど、相馬を通り越して、もっと遠くまで行くのですよ」「ははあ、家門を過ぐるとも入らず、というわけですね」「いいえ、家門を過ぎれば立寄って、妻子をよろこばせます...
中里介山 「大菩薩峠」
...失礼ながら立聞きを致しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...失礼ながらお見上げ申しやした...
中里介山 「大菩薩峠」
...「失礼ながら今はどんな事をやっておいでで……」「今ですか...
夏目漱石 「野分」
...失礼ながら城の運命は...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...失礼ながらアドルフ少尉だって...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神童」
...失礼ながら生涯に...
吉川英治 「上杉謙信」
...われわれ敵方より見ても、この一城だに陥(おと)せば、北伊勢は崩れ、北伊勢を攻め奪(と)って、一挙、神戸(かんべ)の本城をとり囲めば、神戸御一族は、失礼ながら、網の中から魚を獲るようなものと、作戦着々取りすすめておる次第でござる」「ムムム」弾正は、それを否定しなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...「――実は、伜(せがれ)の新蔵からも、沢庵どのからも、お身様の人間は、よう承って、その上、お迎え申したことじゃが、失礼ながら、今の御修行がどれほどなものか、それは知るよしもなし、またお目にかかって、言葉の上で伺うよりも、まず先に、無言のうちに拝見いたそうかと――ちょうど居合わせた仁(じん)も然るべきお方ゆえ、如何(いかが)? と計ったところ、畏(かしこ)まったと、すぐ呑みこまれて――真(まこと)は、あれなる暗い廊下の壁露地(かべろじ)に、そのお方が、刀の鯉口を切って、お待ちしていたものでござる」安房守は、今さら、人を試すようなことをした所為(しょい)を、自ら恥じているように、そこで、謝罪の意を示して――「……それゆえに、実はわざと、てまえが此方(こちら)から、渡られい、渡られい、と幾度も、罠(わな)へ誘(いざな)うつもりで、お呼びしたのじゃが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...失礼ながらお蔭さまで...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
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