...鴉片(あへん)をつめた水管の味に正体を失わせるか...
海野十三 「振動魔」
...たとえばほんとうに有益なまとまった書物でも熟読しようというような熱心と気力を失わせるような弊がありはしまいか...
寺田寅彦 「一つの思考実験」
...それは人々をしてこの「何故」という問いを提出する実際的な動機をば失わせる筈である...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...ドイツにいた時彼が心にもなく地位を失わせることになった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...あらゆる行動の勇気を失わせる...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...米友を抱きすくめて存在を失わせるほどの体格があって...
中里介山 「大菩薩峠」
...根本のいわゆる常道は決して失わせることなく広く施されて万民これを行えばこれが少数の武士階級に行わるるより遥(はるか)に有力な...
新渡戸稲造 「平民道」
...気力を失わせるような環境...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...そんなふうにして時間を失わせるなどとは...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...知覚に失わせることはできないのである...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...より多くの人の独立を失わせることとなる...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...男に対して祖母の面目を失わせる様ではと思うと渋々ながら又戻って行った事さえあった...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...行動の自主性を失わせる...
宮本百合子 「刻々」
...日常の社交性を失わせるようなものです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...自分の愛の深さを見失わせることになり...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...この場合には敵にその武器を失わせるために自分の武器もすてなければならないのでございます...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...端(はし)なくも彼女に職を失わせる原因となった...
夢野久作 「少女地獄」
...食も失わせるような...
吉川英治 「平の将門」
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