...顛倒すると共に「觀る」ことは消失する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...あらゆる學術はその根柢を喪失する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...もとよりこの補足物の消失とともに消失する...
堺利彦訳 幸徳秋水訳 「共産黨宣言」
...その不自然な強調によって「個々の女」は消失する代わりに「抽象された女それ自体」が出現するであろう...
寺田寅彦 「生ける人形」
...新聞記事としての価値を喪失するという事実がある...
寺田寅彦 「ジャーナリズム雑感」
...すべてを重ね合すことによって消失するのではあるまいか...
寺田寅彦 「厄年と etc.」
...その解釈者あるいは亜流によってみずからその正当なる意味の理解を失すること...
中井正一 「絵画の不安」
...さすがの我も聊(いささ)か疲労しかつはまたこの上強(し)ひんには礼を失するに至らん事を虞(おそ)れせめてわが芝居道熱心の微衷(びちゅう)をだに開陳し置かばまた何かの折宿望を達するよすがにもなるべしと長々しき論文一篇を草しそつと玄関の敷台に差置きて立ち去りぬ...
永井荷風 「書かでもの記」
...もっと面目を失するような自分の欠点を...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...茫然自失する事あるものなり...
夏目漱石 「人生」
...ちと比例を失するような大きな例になるかも知れませんが...
夏目漱石 「創作家の態度」
...一年に一度の機会を失する」一番先に蜂屋文太郎が起(た)ち上りました...
野村胡堂 「古城の真昼」
...*119卒倒術――自意識はその極限において自失する...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...中部以南はいささか暑さに失するきらいありといえども...
牧逸馬 「ヤトラカン・サミ博士の椅子」
...光が強くなると急に消失する...
武者金吉 「地震なまず」
...所詮(しょせん)官費留学生になれない僕がこの機会を失すると...
森鴎外 「雁」
...中にはこれを取巻に厠(まじ)うるはあるいは酷に失するかも知れぬと思われる人もある...
森鴎外 「細木香以」
...併(しか)しおれは礼を失すると思つて彼等の職業を問ひ返すことをしなかつた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
便利!手書き漢字入力検索