...併し自分は根柢に於いて彼と我との間に天稟の相違あることを忘れてはならない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...天稟の技というのはああいうのをさして言うのであろう...
上村松園 「砂書きの老人」
...かれが天稟の楽人ならば...
太宰治 「盲人独笑」
...天稟(てんぴん)の体へ絵の具を注ぎ込む迄になった...
谷崎潤一郎 「刺青」
...されば始めは格別将来の目算もなくただ好きにまかせて一生懸命(けんめい)に技を研(みが)いたのであろうが天稟(てんぴん)の才能に熱心が拍車(はくしゃ)をかけたので...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...貴重な天稟(てんぴん)であって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...われわれの天稟(てんぴん)の精神が自己を肯定するのは...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...若い音楽家が自分の音楽的天稟(てんぴん)を話しに来て...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...元來は書に就ては天稟の技倆のある支那人は...
内藤湖南 「北派の書論」
...そして茲にこそ氏の作家(さくか)として天稟(てんびん)の素質(そしつ)の尊さがあるのでせう...
南部修太郎 「三作家に就ての感想」
...生れながらに天稟の詩人として出発した...
萩原朔太郎 「小説家の俳句」
...その天稟(てんぴん)に備えたる働きの頂上に達せしめざるべからず...
福沢諭吉 「教育の事」
...アントオニオ 誰か能く彼の天稟(てんぴん)に参通し得る者ぞ...
ホーフマンスタール Hugo von Hofmannsthal 木下杢太郎訳 「チチアンの死」
...天稟的な純情を忘れずに持つてゐるところが強味で...
牧野信一 「浪曼的月評」
...ただ自然に草木が好きでこれが天稟(てんびん)の性質であったもんですから...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...その天稟をうけた者ほど...
吉川英治 「剣難女難」
...更に彼の天稟(てんぴん)の冴えに研ぎ澄まされた名剣手...
吉川英治 「剣難女難」
...その天稟(てんぴん)を認めてきた...
吉川英治 「親鸞」
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