...併し自分は根柢に於いて彼と我との間に天稟の相違あることを忘れてはならない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...もし彼に独自の道を切り開いて行く天稟(てんぴん)がないのなら...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...唯こうした天稟の洞察力を持たぬ凡人の為に作られたものに過ぎませんよ...
江戸川乱歩 「D坂の殺人事件」
...いちいちその訴へをあざやかにお裁きになつたといふほどの天稟の御英才を相州さまともあらうお方がわからぬなどといふ事はございませぬ...
太宰治 「右大臣実朝」
...天稟の歌人の御苦吟の折には...
太宰治 「右大臣実朝」
...われわれの天稟(てんぴん)の精神が自己を肯定するのは...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼はそれらの知的な魂の冷酷さや無情さや利己主義に悩まされた――(ただほんとうの天稟(てんぴん)に導かれてる者や熱心な学術的研究に没頭してる者など...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...若い音楽家が自分の音楽的天稟(てんぴん)を話しに来て...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...プロータスは女子が綺羅(きら)を飾るの性癖をもってその天稟(てんぴん)の醜を蔽(おお)うの陋策(ろうさく)にもとづくものとせり...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...耳の早いことは天稟(てんぴん)で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...天稟(てんぴん)の妙を得たガラッ八ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...天稟(てんぴん)の妙(めう)を得たガラツ八ですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼から心も魂も聖なる天稟の炎をも取り去ってしまう...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...その天稟(てんぴん)に備えたる働きの頂上に達せしめざるべからず...
福沢諭吉 「教育の事」
...アントオニオ 誰か能く彼の天稟(てんぴん)に参通し得る者ぞ...
ホーフマンスタール Hugo von Hofmannsthal 木下杢太郎訳 「チチアンの死」
...天稟(てんぴん)とは言いながら老熟の致すところならん...
正岡子規 「俳人蕪村」
...その天稟をうけた者ほど...
吉川英治 「剣難女難」
...さらに天稟(てんぴん)の武勇と血と涙とを...
吉川英治 「神州天馬侠」
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