...天下の最高学府の出身者が春廼舎朧という粋(いき)な雅号で戯作の真似(まね)をするというは弁護士の娘が女優になったり...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...それまで政治以外に青雲の道がないように思っていた天下の青年はこの新らしい世界を発見し...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...則ち天下の論定まらんと...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...それで昔より天下の亂るゝことは侍れど...
内藤湖南 「應仁の亂に就て」
...天下の大勢と見てとって...
直木三十五 「南国太平記」
...今のように木曾薬草の名が天下に知れて、長者町の道庵までがそのおかげを被(こうむ)るようになったのは、みなこの道益先生の親切だ――医者に限ったことはねえ、天下の政治でも、実業界の仕事でも、すべてこの人類に対する親切気から湧いて来なけりゃ嘘だな...
中里介山 「大菩薩峠」
...何しろ天下の豪傑だから...
中里介山 「大菩薩峠」
...天下の人に交わり...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...社中自からこの塾を評して天下の一桃源と称し...
福沢諭吉 「中元祝酒の記」
...今やこの女性が一天下の煩(わざわ)いだとされるに至った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...――又敵(またがたき)が天下の御法度になったのは...
山本周五郎 「さぶ」
...私は天下のためにこの家を潰すつもりですから...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
...祖廟(そびょう)の定めおかれた天下の法令は...
吉川英治 「大岡越前」
...おもむろに天下の隙(げき)をうかがっておられるのが上策です...
吉川英治 「三国志」
...あまねく天下の画匠に障壁画の彩管(さいかん)をふるわせた時でも...
吉川英治 「新書太閤記」
...天下のお尋ね者になったら」「番兵の頭(かしら)...
吉川英治 「新・水滸伝」
...――天下をとるまでは、人民へも、僧侶にも、いかにも、善政をしくようなことをいうが、おのれの望みを達して、司権者の位置に就くと、英雄どもは、自分の栄華(えいが)に忙しくなって、旗を挙げた時の意気や良心は、忘れてしまうよ」「それでも、現在のままでいるよりはましだ」「この叡山の上から見ていると、栄華も凋落(ちょうらく)も、一瞬の間(ま)だ、まったく、浮世の変遷というものが、まざまざとわかる」「つい昨日(きのう)までは、天下の春は、六波羅の政庁と、平氏一門に聚(あつ)まって、平氏の家人(けにん)でなければ、人にあらずといわれていたのが、今日は、源氏調伏の祈願に、浮身を窶(やつ)していなければならないとは、なんという醜態(しゅうたい)だろう」「笑止、笑止」学僧たちは、手を打って、笑いあった...
吉川英治 「親鸞」
...天下の事を談じたりもする男は...
吉川英治 「源頼朝」
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