...いや、大酒を飲むのは、毎夜の事であって、なにも珍らしい事ではないけれども、その日、仕事場からの帰りに、駅のところで久し振りの友人と逢い、さっそく私のなじみのおでんやに案内して大いに飲み、そろそろ酒が苦痛になりかけて来た時に、雑誌社の編輯者(へんしゅうしゃ)が、たぶんここだろうと思った、と言ってウイスキー持参であらわれ、その編輯者の相手をしてまたそのウイスキーを一本飲みつくして、こりゃもう吐くのではなかろうか、どうなるのだろう、と自分ながら、そらおそろしくなって来て、さすがにもう、このへんでよそうと思っても、こんどは友人が、席をあらためて僕にこれからおごらせてくれ、と言い出し、電車に乗って、その友人のなじみの小料理屋にひっぱって行かれ、そこでまた日本酒を飲み、やっとその友人、編輯者の両人とわかれた時には、私はもう、歩けないくらいに酔っていた...
太宰治 「朝」
...生れてはじめてあれほどの大酒を飲む事も出来たし...
太宰治 「新釈諸国噺」
...時を選ばずに大酒を飲む...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...……大酒を飲むとか粗暴だとか...
山本周五郎 「日本婦道記」
...大酒を飲む人や、胃の悪い人の中にはここで……ハハア……そうかと首肯(うなず)く人が居るかも知れないが、天性の下戸(げこ)で、頗る上等の胃袋を持っている吾輩には、全く見当の付けようがないのだ...
夢野久作 「無系統虎列剌」
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