...門前の雪八方に蹴散らしたる上に、血夥(おびただ)しく流れたるが、只(と)見れば遙(はるか)の山陰(やまかげ)に、一匹の大虎が、嘴に咬へて持て行くものこそ、正(まさ)しく月丸が死骸(なきがら)なれば、「さては彼の虎めに喰(く)はれしか、今一足早かりせば、阿容々々(おめおめ)他(かれ)は殺さじものを」ト、主人(あるじ)は悶蹈(あしずり)して悔(くや)めども、さて詮術(せんすべ)もあらざれば、悲しみ狂ふ花瀬を賺(す)かして、その場は漸くに済ませしが...
巌谷小波 「こがね丸」
...名に負ふ金眸は年経し大虎...
巌谷小波 「こがね丸」
...大虎のそばへかけよって...
江戸川乱歩 「奇面城の秘密」
...大虎の頭をなでてみました...
江戸川乱歩 「奇面城の秘密」
...倉田白羊が酔っぱらって大虎になり...
高村光太郎 「ヒウザン会とパンの会」
...「朝鮮大虎」「大入々々」「大人一文小児半文」と書いた札を背にして切(しき)りに客を呼んでゐる男が一方にゐる...
長與善郎 「青銅の基督」
...大虎になつて居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...水道橋へ來た時は女のくせに大虎だ」「――」「こんな女と無理に一緒になることを考へると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...三尺高い木の上から小唄の良い喉を海の向うの房州の阿魔っ子に聴かせ度(て)やりてえくらいのものだ」まさに大虎です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...呪い殺されるどころか、大虎になって、大変な話を手真似でやり出す始末なんだ...
久生十蘭 「魔都」
...わめき暴れる大虎はコートを大きくはだけ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...「鹿児島産の大虎だよ...
牧野信一 「早春のひところ」
...しかるに水王たる大虎神これを拒んだので二神争闘今に至るも息(や)まぬと(コラン・ド・ブランチ...
南方熊楠 「十二支考」
...一昨年(おととし)の大虎列剌(コレラ)の時に死にましたので……」「ウンウン...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...大虎の体が横たえてある...
吉川英治 「新・水滸伝」
...かつて彼自身が景陽岡(けいようこう)でしとめた大虎そッくりな恰好にされ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...沂嶺(きれい)の大虎二匹...
吉川英治 「新・水滸伝」
...これは朝鮮渡りの大虎...
吉川英治 「宮本武蔵」
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