...葉子は大急ぎで倉地に目くばせしてそっとその部屋を出た...
有島武郎 「或る女」
...ぼくたちが戦(いくさ)ごっこをしに山に遊びに行って、その乞食を遠くにでも見つけたら最後、大急ぎで、「人さらいが来たぞ」といいながらにげるのだった...
有島武郎 「火事とポチ」
...知っているでしょう、近道を選んで、大急ぎで、裏口へ出るのだ...
海野十三 「鬼仏洞事件」
...大急ぎでまた元の座敷牢へとび上っていった...
海野十三 「三人の双生児」
...すぐに大急ぎで女のそばへあつまって来ました...
鈴木三重吉 「湖水の女」
...大急ぎで一つすばらしい蔵書印をこしらえなくちゃ……」私はその後D博士を訪問する度に...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...また大急ぎで引返して行かれた...
太宰治 「斜陽」
...それから四の五の云わずに大急ぎでもう一つ炭取りを買って来るんだよ...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...「あれは大急ぎで書きあげましたの...
徳田秋声 「仮装人物」
...「……大急ぎで……二十五分以内に帰つていらして下さい...
徳田秋聲 「水ぎわの家」
...大急ぎで掬(く)んで来た水...
野村胡堂 「江戸の火術」
...四本の手紙を持つて大急ぎで出かけました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大急ぎで二梃の駕籠を呼び...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大急ぎで兵隊さんを呼びにゆきました...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...そのさわぎに、をんどりがかつ/\と鳴いて飛出しましたから、幸坊は大急ぎで、それをつかまへて一さんにうちの方へ走りましたが、それから先のことは、じぶんでも、どうなつたかわからなくなりました...
宮原晃一郎 「幸坊の猫と鶏」
...静雄の方でも大急ぎで辞典を先に出してしまったりして...
柳田国男 「故郷七十年」
...又もホッとばかり肩を戦(おのの)かして一息しました黒衣の巨人はやがて又大急ぎで手袋を脱ぎ棄てますと...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...四軈(やが)て、はっと我れにかえった鷺太郎は、思い出したように、(警察へ――)と気づくと、大急ぎで、又崖を馳上り、夜道を巡査派出所の方へ馳けはじめた...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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