...彼の大川端(おおかわばた)の屋敷へ招かれて...
芥川龍之介 「開化の良人」
...大川端から、投身自殺をはかった年若い婦人があるのを、交番へ知らせるとともに、自分も飛込み、巡査と協力して助けた...
海野十三 「火星兵団」
...長吉は浜町(はまちょう)の横町をば次第に道の行くままに大川端(おおかわばた)の方へと歩いて行った...
永井荷風 「すみだ川」
...大川端(おおかわばた)なる元柳橋(もとやなぎばし)は水際に立つ柳と諸共(もろとも)全く跡方なく取り払われ...
永井荷風 「日和下駄」
...だから大川端(おおかわばた)で眼の下三尺の鯉(こい)を釣るよりもよっぽどの根気仕事だと...
夏目漱石 「坑夫」
...八丁堀から大川端(おおかわばた)へ出ると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...歸らうよ」「へエ――」二人は何時の間にやら大川端に出て居りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...銀鼠(ぎんねず)から桃色に明けて行く大川端の春を眺めております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...申松爺さんしよんぼりお勝手口に立つて暫らくは泣き出しさうな顏をして居るさうですよ」「――」「大川端から八丁堀は近いでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その時間には僕は大川端を漫走していた...
久生十蘭 「魔都」
...「大川端へ出よう...
牧野信一 「川蒸気は昔のまゝ」
...大川端まで来ると再び烈しい咳がこみあげ...
山本周五郎 「お美津簪」
...「おまけに大川端の海石のことから治療のことまで知っていたのはおかしい」「そんなことまで申しましたか」「なにもかも知っているようだ」と彼は首をかしげた...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...大川端(おおかわばた)町で「海石」という料理茶屋を...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...「なぜこれこれだと云ってくれないんだ」栄二は大川端(おおかわばた)のほうへ向いながら独り言を云った...
山本周五郎 「さぶ」
...大川端から中ノ橋の袂(たもと)を回ったところで片隣りに『船八』という船宿があり...
山本周五郎 「花も刀も」
...平右衛門町(へいえもんちょう)をぬけて大川端へ出た...
山本周五郎 「柳橋物語」
...夏は来ぬかの焔よりいや熱く燃ゆるは君の胸ばかりかはふと土に手を触れながらかのひとのことを思へば涙こぼれぬ夏は来ぬ大川端に泣きにゆく頃となりぬと書ける文かな大川の風に吹かれて来るごとし飄然としてきたる汝が文はらはらとわが膝の上にこぼれたる涙に似たる雨の音かな病蘇小彼の女がどつと重い病の床に就いたのは...
吉井勇 「酔狂録」
便利!手書き漢字入力検索