...その日暮しの貧乏人と同じやうに柿よりももつと大切な事を幾つも持つてゐるものだから...
薄田泣菫 「茶話」
...その人に対して如何なる季題を見出すかということが大切なことである...
高浜虚子 「俳句への道」
...封筒の裏に出ている小料理屋の場所は、東京生れの俺もついぞ行ったことのない、俺などには関係のない日本橋で、女中に密淫売をさせる店がそんな場所にあろうとは思えぬが、しかも不安なのは、それほど波子を俺が実は、自分でそうと自覚しないにもかかわらず、大切なものと見、大切にしたいと考えていた証拠かもしれぬ...
高見順 「いやな感じ」
...これがこの世界で一番大切なことなんだと思うんだ...
カレル・チャペック Karel Capek 大久保ゆう訳 「RUR――ロッサム世界ロボット製作所」
...これは非常に大切なものなんですからね」不意に強い情をこめてこう言い足すと...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...大切な米をこぼして...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...私にとっていちばん大切なことは...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...この大切な法則が動ともすると画の面白味といふことゝ矛盾衝突するところから...
菱田春草 「画界漫言」
...大切なる箇条あり...
福沢諭吉 「日本男子論」
...大切な書籍をその上に詰めて...
牧野信一 「鬼の門」
...茶にこの聚繖花序の現われるのはまことにこの上もない貴重なかつ大切な事実で...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...それは人間の最も意義深くかつ最も大切なこの夫婦に比べる事が出来ます...
牧野富太郎 「植物記」
...大切なのは多数の人々の意見であり...
宮本百合子 「朝の話」
...長い間親知らずで放って置いた大切な息子へ気の毒であったり済まなかったりする気持が一方恭への態度をより丁寧に思いやり深くさせた...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...自分の身を大切に思ったらその身を養う食物ほど大切なものはないでありませんか」第二百三 料理見物中川の名案は忽(たち)まち子爵に採用せられたり「中川さん...
村井弦斎 「食道楽」
...あなたは内で大切な事をなさっていらっしゃい...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...自分の大切な評判を台なしにしていることは明白である...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「……ダ……メ……ダ……お前は俺の……大切な研究材料だ……ここを出す事は出来ない」「ナ……ナ……何だと……」「お前を……ここから出しちゃ……実験にならない……」私は思わず手をゆるめた...
夢野久作 「怪夢」
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