...大人しい、親思いの初代ではあったが、彼女はこの母親との戦いには決して負けていなかった...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...小官吏の方は大人しい...
高濱虚子 「俳諧師」
...大人しいお師匠さんですよ」と言ふ...
高濱虚子 「俳諧師」
...大人しいようでその実いつまでも打ち解けてくれない雪子と云うものが一番気心の分らない扱いにくい小姑(こじゅうとめ)なので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...―――陰鬱じゃいけない?」「大人しいのは結構だけれど...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...大人しい青年で、親にも告げずに身に佩(お)びては悪かろうと、豎牛を通じて病父にその名誉の事情を告げ玉環を見せようとした...
中島敦 「牛人」
...ガクラオ部落のギラ・コシサンは大変に大人しい男だった...
中島敦 「南島譚」
...誰の目にも大人しい人として映つた...
中原中也 「夭折した富永」
...花子と呼ばれた方は大人しい娘と見え...
久生十蘭 「魔都」
...神様の様な素直な大人しい女である時の方が多く...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...お前の大師匠は名代の大人しい人だったが...
正岡容 「小説 圓朝」
...それでも根が大人しい人だから...
正岡容 「小説 圓朝」
...私は大人しい表情に戻り...
松永延造 「職工と微笑」
...安斎は大人しいが気の利(き)いた男で...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...それ以来会っていないが、斯波孝四郎君という、大人しい、おっとりしたりっぱな人で、私はいつも尊敬の的にしていた...
柳田国男 「故郷七十年」
...大人しいもんだから...
吉川英治 「三国志」
...「馬鹿に大人しいじゃねえか...
吉川英治 「醤油仏」
...母さんも欣(よろこ)ぶによ」「こんなに大人しいじゃないか...
吉川英治 「新書太閤記」
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