...さあ、どんな事するのや知らんが、まずうても大事ない、大事ない、それ、支度は入らぬかい...
泉鏡花 「歌行燈」
...鉄漿をつけては」「大事ない...
田中貢太郎 「南北の東海道四谷怪談」
...大事ない」老中は...
直木三十五 「大岡越前の独立」
...お前ならば聞かれても大事ない」「どうぞ...
中里介山 「大菩薩峠」
...其博勞といふのは此佐渡へ渡航の汽船で知己になつて夷の港では枕をならべて泊つたことがあるのだといふことまで噺をすると赤泊ならばもう近い所故ゆつくりしても決して大事ないといつて更に「博勞さんといふのは小柄で大きな聲を出す人でございましやうといつた...
長塚節 「佐渡が島」
...「ここにいられる四人だけなら大事ないが――誰も聞いちゃいないでしょうな」藤枝蔵人はさすがに四方(あたり)を見廻しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それならば大事ない――」と阿賀妻は深い眼をぱちぱちと瞬(またた)き...
本庄陸男 「石狩川」
...「いいえ、大事ない...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...これもやれればやって大事ない...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...「啖付(くいつ)いても大事ないかえ」「歯が立ったなら鰻を今(も)一パイ喰わせる……アイタタタ……待て……待てチウタラ……」廊下を通りかかった女中が吃驚(びっくり)したらしく襖(ふすま)を開けたが...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...そち達の死場所はここでない筈だが」「いや、宗円様には、御着こそ不安なれ、姫路は大事ない、見て来いとの、烈しい仰せで、そのため一鞭打って、戦局をお告げし、また当城のご様子を伺いに来たわけです」「こここそは、お案じあるなと、お父上へ確(しか)と申しあげてくれ、官兵衛は宗円の子でございますとな」「はい、かしこまりました」「行け行け...
吉川英治 「黒田如水」
...小川町から牛ヶ淵の方角へ息もつかずに急いでくりゃれ」「でも余りお駕が揺れましては」「大事ない――」と...
吉川英治 「剣難女難」
...正季が、案じて、そのことを計ると、「――大事ない、領ざかいまでは、爺(じい)の恩智左近が郎党どもを用いて、“紛(まぎ)れの計(けい)”を伏せておる...
吉川英治 「私本太平記」
...大事ない」としているように...
吉川英治 「私本太平記」
...大笑いに笑わるるぞ」「笑われても大事ない...
吉川英治 「新書太閤記」
...「大事ない大事ない...
吉川英治 「新書太閤記」
...大事ない」下緒(さげお)を解いて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...――あれっ、はよう、どうかせぬかいの」「あれか」黒く――坂の下をまるで鹿のように逃げてゆく影をのぞんで、「大事ない、先は病人、それに程の知れた女子(おなご)の脚、追いついて、一討ちに」駈け出すと、お杉も、後から駈けつづいて、「権叔父よ、一太刀浴びせるはよいが、首は婆が怨みをいってから斬りますぞい」そのうちに、先を走っている権六が、「しまった」大声を放って振向いた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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