...大事そうに両手でもって胸へ抱え込んでいる...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...悦子はそれを大事そうに汽車の中まで持ち込んでいたのであったが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...父親に町で買ってもらった花簪(はなかんざし)などを大事そうに頭髪(あたま)にさしていた...
徳田秋声 「足迹」
...「カクテルでも召(め)し食(あが)りません?」彼女は大事そうにしてある幾種かの酒の壜を覗(のぞ)きながら...
徳田秋声 「仮装人物」
...久七は新聞紙包みを大事そうに差出した...
豊島与志雄 「特殊部落の犯罪」
...何かを大事そうに抱えています...
豊島与志雄 「三つの悲憤」
...大きな鮨包みを大事そうにかかえて...
豊島与志雄 「落雷のあと」
...それを、大事そうに、以前のところまで持って来たお銀様は、嫉(ねた)むような目つきと、おそれをなすような胸のさわぎで、箱の蓋(ふた)を払って見ましたが、中にはやわらかな紙が二三枚、丁寧にたたんで入れてあるだけのものでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...それを大事そうに父と母に見せた...
夏目漱石 「こころ」
...大事そうに買って来た花を活けて...
夏目漱石 「それから」
...小川町の停留所で洋杖(ステッキ)を大事そうに突いて...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...小(ちさ)い嘴に受けた一雫(ひとしずく)を大事そうに...
夏目漱石 「文鳥」
...大事そうにそれを懐へしまうと...
夏目漱石 「明暗」
...恐ろしく下手な字だが大事そうに畳んであるところを見ると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...如何(いか)にも大事そうに椅子の後に立てかけて...
野村胡堂 「天才兄妹」
...大事そうにそれを抱(かか)えているのが私を悲しませた...
堀辰雄 「三つの挿話」
...磚(せん)のすき間から生えている葎までも何か大事そうに踏まえて...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...ノンセンスと仮名をも振って大事そうに記している...
正宗白鳥 「入江のほとり」
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