...夥しい草葉の蒸香(いきれ)が風と共に入つて來る...
石川啄木 「鳥影」
...こんどは夥しい艦艇が...
海野十三 「怪塔王」
...それらに棲息する高等生物の数はこれまた数えることが出来ないほど夥しいものがある...
海野十三 「地球発狂事件」
...何物かで乱打されたらしく紫色の夥しいみみず腫れが覗いていた...
大阪圭吉 「寒の夜晴れ」
...とりわけ春は再び樹にかえって来て、枝という枝は数知れぬしなやかな葉を伸ばし、みずみずしい花を吹いている昨日今日、樹の内部では一瞬の休みもなく、夥しい水分が、根より吸い上げられて、噴き上げの水のようなすばらしい力をもって、幹から枝の先々にまで持ち運ばれていることだろう...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...一九)春春が來た夜は尚夥しい霜で大地がコチ/\と凍るのに晝間はもう全く春だ往來には空氣も人も流れ出した不思議な一大氣體が日に日に此の世の岸に漂着して來る...
千家元麿 「自分は見た」
...二十歳より二十四五歳前後のいわゆる中年者の口を求める者の数多いことは実に夥しい...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...夥しい獲物を携へてゐた...
津村信夫 「猟人」
...夥しい悪事をしたのです...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...土気の中の一都会だから風情のないことは夥しい...
中里介山 「武州喜多院」
...夥しい型を記憶しておいて...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...チチコフはその夥しい数を見て...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...またチューブの家の長持の中には夥しい布地や...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...かツと取り逆せて夥しい疳癪を起すのだつた...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...かの不断の戦争に従事したあれほどの夥しい人間がいかにして調達され得たかを...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...夥しい「若い燕」が東京市中に孵化して飛びまわる事になった...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...どこをドウしたかわからないくらい夥しい船が...
夢野久作 「爆弾太平記」
...夥しいその数と広範囲な分布は注目に値し...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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