...すくなくとも万をもって数える夥しい原地人の数であった...
海野十三 「人造人間戦車の機密」
...クロクロ島付近に集る夥しい砲弾の雨! 海上も海底も...
海野十三 「地球要塞」
...きつと氣がつく御前の來るのを待つのは恐いけれど來てしまへば俺は元氣づいて躍り出す、氣がつけば引つきり無しに遣つて來る、神來の喜び!木の音の行列、夥しい星の歌、一粒撰りの新しい音色!天の戸をくる喜びの歌、朝の歌!氣の揃つた一團の可愛ゆい、小さな百姓車の行進曲!(一〇、二五曉、愛の本所載)わが兒は歩む吾が兒は歩む大地の上に下ろされて翅を切られた鳥のやうに危く走り逃げて行く道の向ふには地球を包んだ空が蒼々として、底知らず蒼々として日はその上に大波を蹴ちらして居る風は地の底から涼しく吹いて來る自分は兒供を追つてゆく...
千家元麿 「自分は見た」
...夥しい人夫と土砂と支出を負担して...
谷譲次 「踊る地平線」
...あたりのさまが夥しい変遷をした...
田山花袋 「日本橋附近」
...夥しい人波がドッと池の方へ押返されて来た...
久生十蘭 「魔都」
...――そのうちそれ等の一軒の前に夥しい人だかりのして居るのが私の眼に入つてくる...
堀辰雄 「馬車を待つ間」
...夥しい睡眠不足が一途に発して...
牧野信一 「小川の流れ」
...彼は常々夥しい近視眼で...
牧野信一 「創作生活にて」
...それがまた夥しい腕力で...
牧野信一 「月あかり」
...他合もなく解り切つて居るといふやうな夥しい焦燥の余り……もう何らの感情も消え去つたかと疑はれる洞ろな肉体を...
牧野信一 「白明」
...西洋幾億万の人間は幸福を減じたこと夥しい...
正宗白鳥 「論語とバイブル」
...かくまで夥しい材料を...
南方熊楠 「十二支考」
...一の一夥しい煤煙の爲めに...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...自分の前後左右を通りすがる夥しい群集を眺めながら...
「一本の花」
...夥しい食料を買ひこんで...
室生犀星 「命」
...正面の仏壇の夥しい累々とした位牌だった...
若杉鳥子 「旧師の家」
...路の埃は実に夥しいものであった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
便利!手書き漢字入力検索