...夥しい草葉の蒸香(いきれ)が風と共に入つて來る...
石川啄木 「鳥影」
...竹屋の渡しのあたりの常夜燈や夥しい社寺の碑碣など...
心猿 「桜もち」
...なんという夥しい数であろうか...
海野十三 「人造人間戦車の機密」
...夥しい露が降りてゐる...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...そこに迸(ほとばし)っている夥しい血汐は...
中里介山 「大菩薩峠」
...土気の中の一都会だから風情のないことは夥しい...
中里介山 「武州喜多院」
...星月夜の街上に夥しい歩兵部隊の出征する所に出逢つた...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...二百の人名と夥しい財物を積んでいる一万六千八百噸の船である...
牧逸馬 「沈黙の水平線」
...肉体が健康でないだけに夥しい苦しさだつた...
牧野信一 「F村での春」
...手垢の夥しい認印と二三枚の書付がくしやくしやになつてゐた...
牧野信一 「老猾抄」
...印度から起つたものも夥しい事であるとの説を立てた...
松本文三郎 「世界に於ける印度」
...かくまで夥しい材料を...
南方熊楠 「十二支考」
...あの夥しい女の数のなかに思い浮ばなかった...
「今朝の雪」
...こんなに夥しい本...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
...それは私の室の美しい夥しい本の中でも一番古くよごれてゐる...
室生犀星 「愛の詩集」
...それはこの時福太郎の頭の上から、夥しい石の粉が、黒い綿雪のようにダンダラ模様に重なり合って、フワリフワリと降り始めたからであった...
夢野久作 「斜坑」
...又は風に任する浮草式生活の気楽さに囚われている者に到っては殊に夥しいのであります...
夢野久作 「鼻の表現」
...あの朝の夥しい足なみを...
吉川英治 「俗即菩提」
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