...心細いこと夥しい...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...遠征は夥しい成功を齎した...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...夥しい木の輪の音...
千家元麿 「自分は見た」
...野洲(やす)川河口の長沙以南の湖畔の景致は産業文明のために夥しく損傷されて...
近松秋江 「湖光島影」
...熱帯地方では露の夥しく降る処がある...
寺田寅彦 「歳時記新註」
...その夥しい名所旧跡や美景にも拘らず...
豊島与志雄 「上海の渋面」
...「あッ」床の上は夥しい血汐...
野村胡堂 「水中の宮殿」
...つぎつぎに死んでゆく夥しい負傷者の中にまじつて...
原民喜 「廃墟から」
...私は塩蔵所の岩蔭になにか夥しい白骨が散乱していたことを思いだし...
久生十蘭 「海豹島」
...すべては荒蕪の流域につらなる裏屋根の、出窓の格子に仮泊する、夥しい鴉の群だ...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...ものでも食つてゐるところか(彼女は夥しい乱食家であつた...
牧野信一 「小川の流れ」
...『大英類典』インドの条にまた曰く「虎一たび人を食う癖が附くと殺害の夥しき事怖るべし...
南方熊楠 「十二支考」
...その地に猫より大きな野鼠ありて穀を損ずる事夥し...
南方熊楠 「十二支考」
...この文盲群にふくまれる農民の夥しい数でわかる...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
...夥しい洋食を片つ端から食べてゆく人と...
室生犀星 「京洛日記」
...薄気味の悪いこと夥しい...
夢野久作 「幽霊と推進機」
...その夥しい車はどこへ向って散って行くのか分らない...
横光利一 「欧洲紀行」
...あの朝の夥しい足なみを...
吉川英治 「折々の記」
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