...血夥(おびただ)しく流れたるが...
巌谷小波 「こがね丸」
...遠征は夥しい成功を齎した...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...その工人も実に夥多(おびただ)しいもので...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...夥(おびただ)しい白い粉の山……言わずと知れた麻薬塩酸ヘロインであった...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...芳町(よしちょう)組合の芸者家の間に打交りて私娼の置家(おきや)また夥しくありたり...
永井荷風 「桑中喜語」
...そうして蒲団(ふとん)の敷布の上には夥(おびただ)しい血汐(ちしお)のあとがありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...その夥(おびただ)しいレコードの中から...
野村胡堂 「楽聖物語」
...あるものと言っては、藤原四代の栄華を誇る器具と調度と衣類――それも長い歳月に腐蝕して、考古学や歴史学の参考以外には何の役にも立たぬものと、夥しい位牌、仏具、それに古写経と、素晴しい古文書の山ばかり...
野村胡堂 「水中の宮殿」
...夥(おびたゞ)しい金銀を...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...夥しい御用金に手をつけ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「あゝ!」とか「おゝ!」とかいふ詠嘆詞が夥しく彼の口から放たれるのであつた...
牧野信一 「籔のほとり」
...もとかの児と同夥(どうか)と見えると...
南方熊楠 「十二支考」
...夥しい書きかけの原稿の整理をしてゐると...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...それはこの時福太郎の頭の上から、夥しい石の粉が、黒い綿雪のようにダンダラ模様に重なり合って、フワリフワリと降り始めたからであった...
夢野久作 「斜坑」
...橋を渡る夥しい人の足を浮きあがらせて賑かだった...
横光利一 「旅愁」
...夥(おびただ)しい損傷をうけたのみで...
吉川英治 「新書太閤記」
...実に夥(おびただ)しいものです...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
...夥しい財産の寄附を受けた...
和辻哲郎 「鎖国」
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