...殆ど夢現(ゆめうつゝ)を分たない気色で...
芥川龍之介 「地獄変」
...今にも絶え入るかと危ぶまれるような荒い息気(いき)づかいで夢現(ゆめうつつ)の間をさまようらしく...
有島武郎 「或る女」
...可惜(あたら)月日(つきひ)を夢現(ゆめうつゝ)の境に過(すご)さんとは...
高山樗牛 「瀧口入道」
...渋柿)*寝入りぎわの夢現(ゆめうつつ)の境に...
寺田寅彦 「柿の種」
...酸(す)っぱいような蚊の唸声(うなりごえ)が夢現(ゆめうつつ)のような彼女のいらいらしい心を責苛(せめさいな)むように耳についた...
徳田秋声 「あらくれ」
...三四日は夢現のうちに過した...
豊島与志雄 「或る女の手記」
...それがやはり夢現である...
豊島与志雄 「春」
...その夢現(ゆめうつつ)のうちに...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...夜通し彼女は夢現(ゆめうつつ)に見続けた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...自分は何となく自ら進んで其の危難に近(ちかづ)きたいやうな夢現(ゆめうつゝ)の心持になつた...
永井荷風 「海洋の旅」
...さらと雨が降る夢現(ゆめうつつ)に己は暮らした蝸牛よ己に悲しいコスモスの花と花とに雨が降るもう...
野口雨情 「都会と田園」
...夢現(ゆめうつゝ)うつむけば...
一葉女史 「たま※[#「ころもへん+攀」、U+897B]」
...恍惚(うっとり)として暫く夢現(ゆめうつつ)の境を迷っていると...
二葉亭四迷 「平凡」
...私に何をしたでせう? メイスンに何を? 夢現のうちにあなたはあれの這入つて來たことや爲(し)たことを知つてゐるのです...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...)この盃(さかずき)の冷たい縁(ふち)には幾度(いくたび)か快楽の唇が夢現(ゆめうつつ)の境(さかい)に触れた事であろう...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
...私の心はまるで夢現になって了(しま)ったのでございます...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...昏々(こんこん)と夢現(むげん)の境にはいった頃...
吉川英治 「剣の四君子」
...あの夢現(ゆめうつ)つのまどろみの中に現われるのだ――あの素破(すば)らしい弾々(だんだん)たる肉体...
蘭郁二郎 「蝕眠譜」
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