...八十八夜前後の時期は、季節の変わり目で体調を崩しやすいと言われています...
...夜前、戌時(いぬのとき)ばかりに、奥方が俄(にはか)に、人心地(ひとごこち)をお失ひなされましてな...
芥川龍之介 「芋粥」
...通り魔のような夜前(やぜん)の出来事を考えていると...
橘外男 「生不動」
...またでき得ればおそらく今夜前掲のごとく余の愛の贈物として妻ドローレスに死を与うるつもりである...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...その上、夜前たいてい、食堂で少々酒類もつぎこんでいようし、寝すごしてもボーイが起してくれるという安心もある...
豊島与志雄 「女人禁制」
...夜前と別に変ったこともありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...夜前見ておいたところよりはこころもち前へ進んでいるかと思われるだけで...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうして、あなたもあのくらいに書ける手じゃありませんか、とそそのかして、ふいと床の間を振向いたところには、やはり夜前、つくづくと見て、心憎さを感じたところの懐紙風のかけものが、そのまままざまざと浮き出している...
中里介山 「大菩薩峠」
...「夜前(やぜん)此の御仁(おひと)がお見えになつてな...
長與善郎 「青銅の基督」
...闇の話にのぼせ日夜前途の不安に脅えてべちやくちやと僕の傍で喋べくるのですからかなひません...
原民喜 「書簡」
...深夜前に追いつける...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...急々一書を裁し候(そうろう)昨夜は数々の御厚遇大謝大謝然(しか)るに今朝承及候(うけたまわりそうら)えばかの舞妓春どの夜前小石川南海寺にて変死を遂げ候趣き驚き入り候右御伝聞未だしきやと存じ候えばお知らせ申候……...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...夜前、神明町辺の博士の家とかに強盗が入ったのがつかまった...
宮本百合子 「刻々」
...「夜前の襦袢もたせ上申候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...即ち各地に於て日夜前条の御趣旨を演説し...
與謝野禮嚴 「禮嚴法師歌集」
...夜前の瞠目(どうもく)以上だった...
吉川英治 「私本太平記」
...それに夜前(やぜん)は...
吉川英治 「私本太平記」
...夜前の刺客のことは...
吉川英治 「私本太平記」
...竹中半兵衛の顔を見ると、「――委細(いさい)は、夜前、申しおいた通りである...
吉川英治 「新書太閤記」
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