...夜一夜(よっぴて)...
モオパッサン 秋田滋訳 「墓」
...夜一夜苦み明した...
石川啄木 「鳥影」
...夜一夜踊りおって騒々しいわ...
泉鏡花 「悪獣篇」
...夜一夜(よっぴて)...
泉鏡花 「女客」
...手古奈は此夜一夜眠られぬまゝに...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...兎も角も今夜一夜を凌ぐ畫策を定めた...
伊藤左千夫 「水害雜録」
...泣く/\屍をいだきて家にかへり、床に安して、さて、しめやかに青き燈の下に、勉めてふたゝび机に就けば、稿本は開きて故の如し、見れば、源氏の物語、若菜の卷、「さりとも、琴ばかりは彈き取り給ひつらむ、云云、晝はいと人しげく、なほ、ひとたびもゆしあんずるいとまも、心あわたゞしければ、夜々なむしづかに、」云云、「ゆ」は「搖ること」なり、「あんずる」は「按ずる」にて、「左手にて絃を搖り押す」なり、又、紅葉の賀の卷、「箏の琴は、云云、いとうつくしう彈き給ふ、ちひさき御程に、さしやりてゆし給ふ御手つき、いとうつくしければ、」おのれが思ひなしにや、讀むにえたへで机おしやりぬ、この夜一夜、おのれが胸は、ゆしあんぜられて夢を結ばず...
大槻文彦 「ことばのうみのおくがき」
...今日一日の飯と今夜一夜の寝床とがあるばかりだ...
種田山頭火 「行乞記」
...四その夜一夜とあくる日とをそこで費して...
田山録弥 「海をわたる」
...夜一夜あのままに貼り付いていたのが朝の光と共に忽然(こつぜん)と消えるのでないかと云うような事を考えた事もある...
寺田寅彦 「やもり物語」
...夜一夜(よひとよ)唄うにまかせ...
長谷川時雨 「大丸呉服店」
...すばらしい千夜一夜物語だなあ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...其夜は由井の浦浪を聞きつゝ夜一夜旅の勞れの寢心にくたびれたる兩足踏みのばせし心よさ...
正岡子規 「鎌倉一見の記」
...夜一夜騒く鶉も鼠も此夜は騒がず...
正岡子規 「夏の夜の音」
...その釣鐘はその夜一夜は道のはたに曳き捨てて置く...
正岡子規 「病牀六尺」
...一夜一夜を凌(しの)ぐのに...
山本周五郎 「契りきぬ」
...運転を休止した機械は昨夜一夜の南風のために錆(さ)びついていた...
横光利一 「上海」
...ことに、一夜一夜、星の光も温かい春の宵となるにつれて――ある朝だった...
吉川英治 「親鸞」
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