...夜もすがら左近や加納親子の追憶をさまざま語り合った...
芥川龍之介 「或敵打の話」
...常にかつ近み、かつ遠み、絶間(たえま)なく落つるをきく、夜もすがら、君眠る時、君眠る時、われひとりして...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...露骨な笑ひを止めて呉れ』不幸な人は呟けど夜もすがら幸福は眠れる者を去らず病める者の耳を離れず氣がつけばます/\露骨に話し合ひ...
千家元麿 「自分は見た」
...夜もすがら秋風きくや裏の山...
種田山頭火 「行乞記」
...夜もすがら瀬音がたえない...
種田山頭火 「行乞記」
...それに酒の相手をさせたところでそれが何んだらう? また坊に行つて夜もすがら騷いであそびつたとて...
田山花袋 「道綱の母」
...昨夜の夜もすがらの煩悶(はんもん)が...
中里介山 「大菩薩峠」
...夜は夜もすがら灯火に照らし出されていたにも拘らず...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...夜もすがら、木がらしが萩や薄などをさびしい音を立てさせていた...
堀辰雄 「曠野」
...小屋の二階の寝台で夜もすがら...
牧野信一 「バラルダ物語」
...雨が降る――風が吹く土(つち)のお宮は淋しかろ 寒かろう送ってあげたや紅の地に金糸の花を縫い取って真綿を厚く夜の衣(きぬ)それにそえては虹のよな糸でかがった小手毬を――日はひねもす夜は夜もすがら銀の小針をはこばせて縫いは縫うたが悲しやな送りたいにもつてはなし土のお宮にただ一人妹(いも)を送りし姉娘縫いあげし衣(きぬ)手に持ちてわびしく一人たたずめる...
宮本百合子 「悲しめる心」
...夜もすがらこうして歩いていたら母が自分の姿を夢に見るであろうと儚(はかな)いことを考えて慰めた...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...「夜もすがらでも」と...
吉川英治 「新書太閤記」
...夜もすがら青白い稲光(いなびかり)が閃(ひら)めきぬいた...
吉川英治 「新書太閤記」
...夜もすがら聞えていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...聟殿(むこどの)がみずから振っていた炬(ひ)かもしれぬ」夜もすがら...
吉川英治 「平の将門」
...われわれが、夜もすがらでも、陰身に添うて、お守りしておりますれば」声を揃(そろ)えて四、五名がいう...
吉川英治 「源頼朝」
...夜もすがら二人して興(きょう)に乗じて吹き明かしたが後で聞けばそれは鬼の化身(けしん)であったという...
吉川英治 「宮本武蔵」
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