...塵も動かぬ冬の夜の空を北に限つて...
石川啄木 「病院の窓」
...やはり昨夜の空襲が原因しているものと見えます」と...
海野十三 「空襲警報」
...ちようど夜の空の星のやうに...
鈴木三重吉 「星の女」
...水の如き光は既に夜の空に名残(なごり)なく充ち渡つて...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...そしてそれ等のものゝ上には夜の静けさが――夜の空気を透して落ちて来る電気の光線の静けさが遍ねく行きわたつてゐるのを見た...
田山録弥 「北京の一夜」
...しっとりした夜の空気に蘇(よみが)えったとき...
徳田秋声 「あらくれ」
...皆さんイエスキリストはよみがえりました茂太郎は器量一杯の声で、突然かく叫び出すと共に、例の般若の面を、また、しかと小脇に抱え直して、高いマストの上から、船の甲板の上をのぞき込むように見下ろして、ごらんなさいこの帆柱の下で金椎(キンツイ)さんがイエスキリストに向って祈りを捧げています百四十一今まで、海と空とを水平に見て、唄いたい限りをうたっていた清澄の茂太郎が、急に下の方の甲板を見下ろして、金椎さんはイエスキリストを信じていますあの人は黙って働きます口が利(き)けないからです金椎さんは驚きません耳が聞えないからですですけれどもあの人はイエスキリストを信じています働くことのほかには聖書を読み聖書を読むことのほかには祈りを上げていますごらんなさいこの帆柱の下でいま金椎さんがイエスキリストに祈りを捧げていますこの少年の眼が特にすぐれていて、夜の空で、肉眼では見難い星の数を苦もなく数えることは、以前に述べたことがある...
中里介山 「大菩薩峠」
...夜の空気に艶(なま)めかしく響きます...
野村胡堂 「踊る美人像」
...振事が眞面目であれば眞面目であるほど、人々の哄笑(こうせう)は、潮が去來するやうに、夜の空氣と、囃子方(はやしかた)の鳴物を壓して、どつ、どつと波打ちます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...深夜の空気を揺動かして消魂(けたた)ましく卓上電話のベルが鳴り出した...
久生十蘭 「魔都」
...夜の空は晴れて居た...
平出修 「夜烏」
...今は暗夜の空につつたつて居る...
平出修 「夜烏」
...月夜の空をかけって行く...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...南国の星の大島桜より大きく咲ける春の夜の空之も前記抛書山荘での作...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...この天鵝絨(びろうど)のやうな青い夜の空の下で...
マクシム・ゴルキイ Maksim Gorkii 森林太郎訳 「センツアマニ」
...……私は暗い夜の空にかかる...
山川方夫 「演技の果て」
...今夜の空今夜の空は血を流し...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...コメット・ヌマタは夜の空間...
吉行エイスケ 「恋の一杯売」
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