...その亡霊は夜な夜なもとの戦場に馬を駆り...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「スリーピー・ホローの伝説」
...うちで、王子のお城のなかにいるとき、夜な夜な、ほかのひとたちのねむっているあいだに、ひいさまは、大理石の階段のうえに出ました...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「人魚のひいさま」
...夜な夜な異様のなき声すとて大評判となり...
井上円了 「おばけの正体」
...一夜のうちに蚕児の夜な夜な減少すること前に異ならざるより...
井上円了 「おばけの正体」
...夜な夜な墓場をさまよい出(い)で...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...夜な夜な峰に雨ふりて...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...千代の怨霊(おんりょう)が夜な夜な風呂場に現れると云う噂がたったのは...
田中貢太郎 「風呂供養の話」
...夜な夜なコック場の硝子戸(ガラスど)の中から燈火が洩(も)れるようになった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...何年となく夜な夜なこの声に脅かされることを思うと...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...夜な夜なこの二階の窓の近くへ忍び寄って...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...彼女は夜な夜な、その一匹の日向(ひなた)臭い獣を抱えて同じ寝床の中に臥(ね)ながら、どうして猫と云うものはこんなにも可愛らしいのであろう、それだのに又、昔はどうしてこの可愛さが理解出来なかったのであろうと、今では悔恨と自責の念に駆られるのであった...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...夜な夜な月色が紅に変ずるのを...
中里介山 「大菩薩峠」
...ベルリンはモスキートー機隊によって夜な夜な爆撃され...
中谷宇吉郎 「霧を消す話」
...夜な夜な、物置(ものお)きやうまやの中、または青空の下の木のかげにねむったあわれな子どもが、いまは歴史(れきし)に由緒(ゆいしょ)の深い古城(こじょう)の主人であった...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...少将が夜な夜な扉を叩く音が宛然...
宮本百合子 「気むずかしやの見物」
...夜な夜な撃剣のわざを鍛(きた)いぬ...
森鴎外 「みちの記」
...夜な夜な望郷の黒人霊歌や...
山川方夫 「その一年」
...それとも知らずに飲んで夜な夜な深い夢をご覧(ろう)じたであろうが」「あ? ――」新九郎は息づまるような声を思わず裡(うち)に引いてふるえた...
吉川英治 「剣難女難」
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