...僕 僕は生憎(あいにく)風流人よりもずつと多慾に生まれついてゐる...
芥川龍之介 「闇中問答」
...殊にゲエテの一生はかう言ふ芸術的多慾それ自身であります...
芥川龍之介 「文芸鑑賞講座」
...この小胆にして多慾なる紙屑買をオドかして...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼女はまた改めて従妹(いとこ)の多慾に驚ろかされた...
夏目漱石 「明暗」
...然(しか)りと雖(いえど)も人生の多情多慾(たよく)なる...
福澤諭吉 「〔気品の泉源、智徳の模範〕」
...併し乍ら多情(多慾といふも同じ事なり)の生れとて此ままに朽ち果てんは我本意にあらず...
正岡子規 「読書弁」
...さいごの秘曲を聴こうとする多情多慾の人だった...
吉川英治 「新書太閤記」
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