...多情多恨は日常会話であまり使用されない言葉です...
...愛子は格別恥じる様子もなくその柔和な多恨な目を大きく見開いてまんじりと倉地を見やっていた...
有島武郎 「或る女」
...愛子は多恨な目をはじめてまともに葉子のほうに向けて...
有島武郎 「或る女」
...多情多恨で滿都の人氣を集めて居た...
生田葵山 「永井荷風といふ男」
...如何にも多恨多感な詩人らしい生活を描いたものだ...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...多恨な杜樊川でなくとも...
田山録弥 「一室」
...『多情多恨』になると...
田山録弥 「尾崎紅葉とその作品」
...そこに『多情多恨』が出た...
田山録弥 「尾崎紅葉とその作品」
...『二人女房』『紫』『多情多恨』次第に作者の興がつて筆を執る癖が抜けて来てゐる...
田山録弥 「尾崎紅葉とその作品」
...江戸生れの男らしい男――それは『多情多恨』の葉山に見るやうな男らしい男であつた...
田山録弥 「尾崎紅葉とその作品」
...紅葉の『多情多恨』の長い会話や長い独語などに似たやうなやり方をしてゐる...
田山録弥 「J. K. Huys Mans の小説」
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永井荷風 「矢はずぐさ」
...多情多恨夢は荒野を駆け廻りながら...
中原中也 「ヂェラルド・ド・ネルヴァル」
...多感多恨にして日夜心神を労する吾輩ごとき者は仮令(たとい)猫といえども主人以上に休養を要するは勿論の事である...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...芸術家は本来多情多恨だから...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...多恨なる美女よ、涙なしに自身の過去(すぎこ)しかたをかえりみ、語られるであろうか...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...男をはかる位の軽い気持ではじまつたこの度の恋でさへ今私は死ぬほどの思ひをしてゐるとわが多情多恨を歎くのであるが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...その弱冠の多血多恨な年頃には...
吉川英治 「折々の記」
...こうして彼に多恨な春の一日は暮れたのである...
吉川英治 「剣難女難」
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