...既に多少は名声のある...
芥川龍之介 「山鴫」
...それは一緒にゐる逸子への遠慮も多少は手伝つてゐたに相違なかつた...
伊藤野枝 「惑ひ」
...多少はつきりした考へが...
伊藤野枝 「惑ひ」
...わたくしも多少は知られた芸人ですから...
岩野泡鳴 「猫八」
...妻と子のために、また多少は、俗世間への見栄(みえ)のために、何もわからぬながら、ただ懸命に書いて、お金をもらって、いつとは無しに老けてしまった...
太宰治 「八十八夜」
...又遠慮されてもいゝほど自分は娘ながらに多少は分別のある年になつてゐるのだ...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...どこの鉄道局のなかにも多少は免(まぬか)れないことであると...
ディッケンズ Charles Dickens 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...かつての多少は積極的な攻勢をもって来た伝統にぞくするブルジョア(又地主を含めて)政党自身に身をおく者ではなくて...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...あれで多少は科学の何者...
中里介山 「山道」
...両者は多少は同種である...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...従ってチチコフの素性についても必らず何か多少は知っているに違いない...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...それを夫人は先に 亡き人の古き消息人見せぬ多少は恋に渡りたる文 と歌はれたが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...多少は成功しました...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...多少は冢を堅固にする意も有つたらう...
南方熊楠 「人柱の話」
...それに近所の人でもあり多少は縁つづきにも当るというので...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...多少は原因して居るのでは無いかと思われます...
山中貞雄 「五題」
...多少はこれは迷惑なんで」「あらあ間違いですの...
山本周五郎 「百足ちがい」
...興奮が醒めると多少は元気も無くなるがね...
横光利一 「旅愁」
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