...多少は酒気もあるらしい彼は...
芥川龍之介 「お律と子等と」
...多少は話せないわけでもない...
芥川龍之介 「東京に生れて」
...妻と子のために、また多少は、俗世間への見栄(みえ)のために、何もわからぬながら、ただ懸命に書いて、お金をもらって、いつとは無しに老けてしまった...
太宰治 「八十八夜」
...多少は百姓の真似(まね)もして見て...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...多少は道徳的侮蔑をさえ感じたような樣子で...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...多少は自發的に國家らしきものを創建したのであつた...
内藤湖南 「日本文化とは何ぞや(其一)」
...多少は道庵よりお給金もいただいていることでもあろうし...
中里介山 「大菩薩峠」
...勝次郎は清元をやる丈あって長唄も多少は耳がある様子で...
羽志主水 「越後獅子」
...多少はわたくしがしつけましたから...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...そして秋の花には往々多少は枝に葉を伴っている...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...その後この樹が多少は既に来ていることを知った...
牧野富太郎 「植物記」
...どうも多少は其分量を異にするが如し...
正岡子規 「読書弁」
...もし一国の全結婚が数の多少は別として...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...多少はそれに似た事柄を感ずる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...拾えば木工品などに多少は見るべきものがありましょうが...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...また長屋の住人共は今は両名を多少は恨んだ...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...お年齢(とし)ばかりは……な」「多少は...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...そう思うと、庄次郎も、多少は、感傷的になるとみえる...
吉川英治 「松のや露八」
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