...兎に角多少は鑑賞上に狂ひを生じ易いのであります...
芥川龍之介 「文芸鑑賞講座」
...多少はつきりしない立場ではあつたが...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「帽子箱の話」
...多少は御参考になるかと思います...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...いざとなれば多少は世間を恐れる気があって...
谷崎潤一郎 「細雪」
...民子は後でそれを知つた時には思はず眉をしかめたが「多少は悪いと思つてるんでせうよ」と云ひながらも憎めない気がした...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...云われてみると多少は当っていた...
豊島与志雄 「理想の女」
...多少は警戒しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...女も多少は見かける...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...兄も多少はそれに同意であった...
夏目漱石 「行人」
...成程多少はそれに似た不氣味な形をしてゐるのみならず...
濱田耕作 「異國さかな雜談」
...この事は我々の眼を多少は開いて観察力をもたらすであろう...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...どんな形にせよ多少は手に入れたい...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...その後この樹が多少は既に来ていることを知った...
牧野富太郎 「植物記」
...多少はあつた筈の憎の心はもう消えてなくなつてゐた……あなたの分までも私はこれから彼女を愛して行きませう...
水野仙子 「道」
...多少は冢を堅固にする意も有つたらう...
南方熊楠 「人柱の話」
...多少は痛い思いをしても革命でもなんでも...
三好十郎 「冒した者」
...多少は照れるのか横を向き...
横光利一 「夜の靴」
...多少は矢代の肩身に幅を与えるつもりかこう云ったことなど...
横光利一 「旅愁」
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