...灰捨てて白梅うるむ垣根かな加ふるに凡兆の予等の為に夙に津頭を教ふるものあり...
芥川龍之介 「梅花に対する感情」
...けれど如何にも不思議さうに幼な子は見入つてゐるといふことを青年は夙に気づいてゐたらしく...
高見順 「かなしみ」
...政治家として夙に盛名ある」ラロシフコー公爵その人の息吹が感ぜられる尊嚴盛大の文章である...
太宰治 「ラロシフコー」
...肥料にする干魚の臭や繭の市場の臭ひのする中に商賣に拔目のなささうな町の人間はもう夙に起き出でて...
近松秋江 「湖光島影」
...夙に対話篇的な労作を脱して実証的な諸材料を科学的に整理しようとしたアリストテレスは併し...
戸坂潤 「辞典」
...夙に非政黨内閣を主張し...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...電子を發見したジェー・ジェー・トムソン等の雷名は夙に響いていますが...
長岡半太郎 「湯川博士の受賞を祝す」
...夙に須原を發す木曾人の朝草刈らす桑畑にまだ鳴きしきるこほろぎの聲長野々尻間河にのぞみて大樹おほし木曾人よあが田の稻を刈らむ日やとりて焚くらむ栗の強飯(こはいひ)妻籠(つまご)より舊道を辿る...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...紀元一世紀の「希臘のベデカー」であつたパウサニアスが夙に記して居る處である...
濱田耕作 「温泉雜記」
...ほんとの父親は夙に死亡してゐた...
原民喜 「火の子供」
...夙に露国の野心を測り知るべからざるを看破し...
日野強 「新疆所感」
...そしてわたしは夙に苦学力行の人物には感心する傾向だつた...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...夙に物語なるものは其の性質上形式も無之...
牧野信一 「手紙」
...夙に白面なる眼を挙げて灯台のあかりなどを見あげてゐる静かなる浅春の島の夜半に過ぎない...
牧野信一 「半島の果にて」
...そして夙に私の旅行談を聴くことに依つて旅の夢を満喫した...
牧野信一 「風流旅行」
...夙に諒解し合つてはゐるからである...
正岡容 「東京万花鏡」
...「歴史的感覺は人間の本性のうちに於て、それが夙に、幸福な諸關係のもとで、適當な形式に於てそれの表現を見出す筈がないには、あまりに活溌である...
三木清 「歴史哲學」
...併し夙にドリアンの姿は暗にまぎれて消えていた...
渡辺温 「絵姿」
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