...明子は夙(つと)に仏蘭西(フランス)語と舞踏との教育を受けてゐた...
芥川龍之介 「舞踏会」
...歐洲各國では夙にこれを實行してゐるが...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...毎日のように朝夙(はや)くから出歩いているお島が...
徳田秋声 「あらくれ」
...翌日(あした)朝夙(はや)く...
徳田秋声 「新世帯」
...夙(はや)く母に訣(わか)れた咲子の病気となると...
徳田秋声 「仮装人物」
...都では晴(はれ)の春着も夙(とう)に箪笥の中に入って...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...仏蘭西(フランス)にて夙(つと)に日本美術の大著を出版したるルイ・ゴンスはけだし泰西における北斎称賛者中の第一人者なり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...二勝川春章は肉筆専門の浮世絵師宮川長春(みやがわちょうしゅん)につきて夙(つと)に色彩の妙技を学び得たり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...わたくしは夙(はや)くから文学は糊口(ここう)の道でもなければ...
永井荷風 「正宗谷崎両氏の批評に答う」
...別の機会に残して夙(つと)に后の宮の御見出しにあずかり...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...夙くの昔に世を去つたのであらうが...
濱田耕作 「温泉雜記」
...彼が夙(はや)くより気附いたところであって...
穂積陳重 「法窓夜話」
...夙に風流の夢に耽つてゐた一城主があつた...
牧野信一 「東中野にて」
...更に世紀文明の太初に遡つては夙に大ソクラテス並びに大プレトーンが全生命を傾注したる諧謔法を選んで永遠に若々しく呼号してゐる通りである...
牧野信一 「文学的自叙伝」
...夙に病弱の療養に専念してゐる...
牧野信一 「ペルリ行」
...夙に中世の海賊文学の閲読に...
牧野信一 「三田に来て」
...それにカフヱ・プランタンの(春の女)と(秋の女)が競爭でラヴしてゐたことなどは文壇では夙に誰も知りつくしてゐたが一般の世間はまだ餘り知つてゐない」といふ冒頭で...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...五月九日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(石井柏亭筆「佐野瀑図」の絵はがき)〕五月九日『万葉秀歌』はもう夙(とっく)についていなければならないのに...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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