...造詣(ぞうけい)文章は夙(つと)に文壇の第一人者と推されていた...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...不昧はもう夙くにそれを購つてしまつたのだし...
薄田泣菫 「茶話」
...その結果その子は夙(と)くに堕落し切ってしまうはずのものがまだともかくそこまでの深淵に陥らずに踏み止まっておる...
高浜虚子 「子規居士と余」
...政治家として夙に盛名ある」ラロシフコー公爵その人の息吹が感ぜられる尊嚴盛大の文章である...
太宰治 「ラロシフコー」
...遠くの空に甲山(かぶとやま)が霞(かす)んでいる夙川(しゅくがわ)の堤防の上を走らして行った...
谷崎潤一郎 「細雪」
...また阪急で夙川(しゅくがわ)まで後戻りして...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...夙にたしかに私のうちに存したが以前にはそれに精神の眼を向はせなかつたところのものに...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...彼は夙にヘーゲル哲学に親しむことを知っていたのである...
戸坂潤 「辞典」
...おそらく学生が朝夙くA子をテニスに誘ひに来て...
牧野信一 「風媒結婚」
...傘は夙に放ぽり出し...
宮本百合子 「雨と子供」
...夙やく天の一方にその自由の飛翔を掠め消え去つた...
三好達治 「測量船」
...観斎は夙(はや)く享和元年に歿したからである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...夙(はや)く『倭名鈔』には豆之太万とあるのだから...
柳田国男 「海上の道」
...やや少量ながら夙(はや)くまた必ず栽培せられた穀物であった...
柳田国男 「海上の道」
...夙(つと)に伺っておりますが...
吉川英治 「三国志」
...自分にたいする大塔ノ宮があくまで抱擁の寛度(かんど)もない冷ややかな“他人”であることは夙(つと)に承知だが...
吉川英治 「私本太平記」
...北京の乱も彼だけは夙(つと)に知っていたのである...
吉川英治 「新・水滸伝」
...併し夙にドリアンの姿は暗にまぎれて消えていた...
渡辺温 「絵姿」
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