...その件については、外聞上良くないので、口外しないようにしてください...
...彼女の行動は、一家の外聞を傷つけるものだった...
...祖父の死に関しては、葬儀式は質素に済ませ、外聞を汚さないようにした...
...彼は、自分の失敗によって一族の外聞を損なったことを後悔している...
...外聞を重んじる会社においては、社員個人の言動に対しても注意が払われる...
...外聞が好(い)い...
泉鏡花 「薄紅梅」
...私(わたくし)の外聞や...
泉鏡花 「婦系図」
...かういふ外聞の惡い無駄遣ひはやめて貰ふつもりだ...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「帽子箱の話」
...私は今は見榮も外聞もなく...
太宰治 「このごろ」
...この連中にはまた外聞ということもありますから...
谷譲次 「踊る地平線」
...いつまでもそこにいては外聞もあるし...
近松秋江 「狂乱」
...成丈外聞のない樣にしますからな...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...人に聞かれても外聞の惡くないやうな會社や役所の事務員には...
永井荷風 「或夜」
...人様の外聞になるようなことを...
中里介山 「大菩薩峠」
...ところで……」がんりきはこう言って、はや出立もし兼ねまじき勢いを見せ、箱を包み返しにかかりながら、呆れ返っている福松の前へ、切餅一つをポンと投げ出し、「三つあるうちの一つだけは、骨折り賃に天引としてこっちへ頂いて置いても罪はあるめえ、御神燈冥利というものだ、遠慮なく取って置いてお茶の代りにしな」百両の金を気前よく――いくら人の物だといっても、そう気前よく投げ出されてみると、何はともあれ女として、見得も、外聞も、怖れも忘れて、有頂天(うちょうてん)とならざるを得ない...
中里介山 「大菩薩峠」
...「外聞(げえぶん)曝(さら)しやがつて」と卯平(うへい)は怒(おこ)つたがそれが爲(ため)に事(こと)は容易(ようい)に運(はこ)ばれた...
長塚節 「土」
...他県の生徒に外聞がわるいと云って...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...恥も外聞も忘れて...
野村胡堂 「九つの鍵」
...「言いましょう、親分、恥も外聞も、娘が生きているうちの事だ、――実は、あの大根畑の植木屋の倅で、専次というのが――」「…………」「ときどき娘を誘い出しに来たようだが、男っ振りは好(い)いにしても、あんまり評判のよくない男だから婆さんにそう言って、固く逢うのを止めてあったんだが――」嘉兵衛はいかにも言いにくそうです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...見得(みえ)も外聞もなかった...
吉川英治 「剣の四君子」
...致命的な外聞になってしまった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...私は思わず外聞も忘れてホッと溜息をついた...
蘭郁二郎 「白金神経の少女」
...外聞によって動くような臆病な大将の下では...
和辻哲郎 「埋もれた日本」
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