...夕涼みの時間には、豊年満作の話題で盛り上がる...
...祖母が縁側で夕涼みしている...
...「夕蝉が静かになったら、夕涼みに出かけよう...
...それは朝日川原の夕涼に人出の多い中をお綾はただ一人で...
江見水蔭 「備前天一坊」
...「祐信畫がく」ものゝ本で見ても四條河原の夕涼は...
竹久夢二 「砂がき」
...ぞろぞろ通る夕涼みの人も間抜け顔して...
太宰治 「座興に非ず」
...夕涼み、軽い心、軽いからだ、軽い話、涼しい...
種田山頭火 「行乞記」
...義兄に当たる春田居士(しゅんでんこじ)が夕涼みの縁台で晩酌(ばんしゃく)に親しみながらおおぜいの子供らを相手にいろいろの笑談をして聞かせるのを楽しみとしていた...
寺田寅彦 「思い出草」
...涼しさを声にした様な蜩(ひぐらし)に朝涼(あさすず)夕涼(ゆうすず)を宣(の)らして...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...夕涼みをしていたのだ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...夏ならば夕涼みの下駄の音に遮(さえぎ)られてよくは聞えない八時か九時の時の鐘があたりをまるで十二時の如く静(しずか)にしてしまう...
永井荷風 「すみだ川」
...唯夏の夕涼の縁台での世間話の一つに過ぎない...
中谷宇吉郎 「吉右衛門と神鳴」
...巌谷小波夕涼み足で犬の背なでながらこういう名吟を見ると...
野村胡堂 「胡堂百話」
...薄寒いのに夕涼みの人通りで大変な賑いだ」「それは何の禁呪(まじない)だ」「何んかの弾(はず)みで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...月を仰いで夕涼みをしながら斯んな会話をやりとりした...
牧野信一 「鱗雲」
... 砂川や枕のほしき夕涼み闌更(らんこう)砂川に出で涼みてをれば涼しくもあり...
正岡子規 「俳諧大要」
...涼しさやとか夕涼みとかいふやうな句を賛する...
正岡子規 「病牀六尺」
...あるいは灯(ひ)をともす石燈籠(いしどうろう)や○○○○○といふ十二字を得たらば「梅の花」「糸柳」「糸桜」「春の雨」「夕涼み」「庭の雪」「夕時雨(しぐれ)」などそのほか様々なる題をくつつけるなり...
正岡子規 「墨汁一滴」
...朝涼も夕涼もまだ少ないこのごろながらも身に冷たさのしみ渡るもののある気がして...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...四条や糺(ただす)の夕涼み...
吉川英治 「梅※[#「風にょう+思」、第4水準2-92-36]の杖」
...いつとなく夕涼が動き出して西日を受けた入江の海の小波が白々と輝き出した頃...
若山牧水 「樹木とその葉」
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