...昆布岳(こんぶだけ)の一角には夕方になるとまた一叢(ひとむら)の雲が湧いて...
有島武郎 「カインの末裔」
...毎日夕方になると一財産が船に積み込まれるのだが...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...三月の終りには、夕方になると、きっと風が出て、私が夕暮の食堂でお茶碗を並べていると、窓から梅の花びらが吹き込んで来て、お茶碗の中にはいって濡(ぬ)れた...
太宰治 「斜陽」
...夕方になると薪を背(せお)つて...
田畑修一郎 「南方」
...少年は以前、年取った樵夫(きこり)のネッセルが、夕方になると、そんな様子で休んでいるのを度々みたのでした...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...しかし日盛(ひざか)りの暑さにはさすがに家(うち)を出かねて夕方になるのを待つ...
永井荷風 「すみだ川」
...夕方になるとこうして馬を引っぱり出して...
中里介山 「大菩薩峠」
...夜な夜なその川淵の暗い所でザックザックと小豆を洗い初めると云うので子供の時は夕方になるともうそのあたりは通れなかった...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...夕方になると、その金属の冷たい手触りを喜びながら、植民地の新開地じみた場末の二階の窓から、茜(あかね)色の空を眺めてはハモニカを吹くのであった...
中島敦 「プウルの傍で」
...人の膩(あぶら)を吹き荒す風で手足の皹(ひび)が痛いと云つて、夕方になると、子供がしくしくぢくね出す...
平出修 「夜烏」
...歌の稽古もして夕方になる...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...夕方になるとあてもなく雑木林の中を歩きまはる習慣がついたのである...
北條民雄 「癩を病む青年達」
...夕方になると、彼はひどい疲勞から小石のやうに眠りに落ちた...
堀辰雄 「恢復期」
...夕方になると、彼等は何処(どこ)へともなく姿を消す...
堀辰雄 「麦藁帽子」
...夕方になると、ぞっとするうわさが流れた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「見えざる力」
...夕方になると大ちやんの祖父が長い柄のついた団扇のやうなものを持つて...
牧野信一 「鶴がゐた家」
...この草の葉が夕方になると...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...――夕方になると...
山本周五郎 「五瓣の椿」
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