...森の小路(こみち)の四辻(よつつじ)に夕まぐれ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...かぐはしき夕まぐれ...
アルテュル・ランボオ 上田敏訳 「醉ひどれ船」
...何時(いつ)しか秋風の哀れを送る夕まぐれ...
高山樗牛 「瀧口入道」
...草むらに蛙こはがる夕まぐれ...
太宰治 「天狗」
...君は力づき夕まぐれに...
田山録弥 「あさぢ沼」
...「入りごみに諏訪(すわ)の涌湯(わきゆ)の夕まぐれ」「中にもせいの高い山ぶし」は全くこの手法によったものである...
寺田寅彦 「映画芸術」
...冬の夕まぐれの茶の間の板縁で古新聞を引破ってのホヤ掃除をした経験をもたない現代青年が...
寺田寅彦 「追憶の冬夜」
...(四)ひとり思にかきくれてたゝずむ影もゐる雲も消えてむなしき夕まぐれ神の慈愛のまなじりかみどり澄みゆく大空にはやてりそむる星のかげ...
土井晩翠 「天地有情」
...光、あけぼの、來ん年日、望の影を彼は見せ暗、夕まぐれ、過ぎし年、涙のあとを此は見す...
土井晩翠 「天地有情」
...登高烟は沈み水咽ぶ五城樓下(ごじやうろうか)の夕まぐれ高きに登り佇めば遠く悲雷(ひらい)の響あり心の空に吹き通ふ風の恨に誘はれて色こそ悼め夕雲の嶺に歸るもなつかしや...
土井晩翠 「天地有情」
...別の袖に別れの袖にふりかゝる清き涙も乾くらむ血汐も湧ける喜の戀もいつしかさめやせむ物皆移り物替るわが塵の世の夕まぐれ仰げば高き大空に無言の光星ひとつ...
土井晩翠 「天地有情」
...物思う夕まぐれ襟(えり)に埋(うず)める頤(おとがい)といい...
永井荷風 「妾宅」
...樫の葉がくれ夕まぐれ...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...ラムプの金との夕まぐれ庭に向つて...
中原中也 「在りし日の歌」
...夕まぐれの青やかな空気のなごやかさに私たちの心も何がなしとけこんでゆくころにそれをした...
新美南吉 「花をうめる」
...さしむき熱海(あたみ)から藤沢までの天地自然の夕まぐれを...
服部之総 「望郷」
...蜩の声に混じりて降る雨の涼しき秋の夕まぐれかな西行にあつて欲しい歌であり...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...夕まぐれに会った灰色服の女が...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
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