...場末のカフェでさえが蓄音機のフォックストロットで夏の夕べを踊り抜き...
内田魯庵 「四十年前」
...六月のなかば、雨漸く止んで、雲慘憺たる夕べ、こゝに宿りぬ...
大町桂月 「鹿島詣」
...夕べの景色を眺め入れる也...
大町桂月 「國府臺」
...わたしの毎日の生活の真の収穫は朝と夕べの色どりにいくらか似たもので...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
......
種田山頭火 「行乞記」
...風のない静かな夕べにおのずから枝を離れて落ちたような心持ちがした...
寺田寅彦 「亮の追憶」
...朝たに新内閣成りて夕べに僵る...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...夕べを告げ渡る宝蔵寺の鐘の音に...
中里介山 「大菩薩峠」
...ここへ来てから三日目の夕べ...
中里介山 「大菩薩峠」
...夕べあしたの鐘の声を古調で歌って聞かせる時...
中里介山 「大菩薩峠」
...十五その夕べ、能登守の邸から、能登守の定紋(じょうもん)をつけた提灯(ちょうちん)と、お供揃いとがあって、一挺の乗物が出ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...夕べの辞私は坐りつきりだつた...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...――さても彼女は或る夕べ...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...夕べ遅く僕の所へやってきて...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...やがて夕べの風出でぬ――時を経ぬ間に何時か牛乳(ちち)の時間となりぬれば吾鼠の事も忘れ青葉繁れる窓に牛乳(ちち)を飲みゐたり...
山口芳光 「寧日」
...三名の侍女が夕べの燭(しょく)を点じて去る...
吉川英治 「三国志」
...加古川を朝出た帝の駕(が)が、その夕べ、着いたところは日女道(ひめじ)(姫路市)の姫山の丘かと見られる...
吉川英治 「私本太平記」
...いま見る友も夕べにはいないのであった...
吉川英治 「日本名婦伝」
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