...少し靄(もや)がかった空気は夕べを催すと吹いてくる微風に心持ち動くだけだった...
有島武郎 「星座」
...これが 思ふ樣に 動いて ゐない 夕べには...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
......
上村松園 「画筆に生きる五十年」
...初夏のある夕べの雨上り...
上村松園 「虹と感興」
...そして茶をもって夕べを楽しみ...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...気候の適当な時期においては池は非常に規則的に夕べの時砲を発射する...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
......
立原道造 「萱草に寄す」
...夕べともなれば、ちらりほらり小屋小屋にたき火が燃え、そこらに女のはしゃいだ声もまじり、子供たちの声も浮き立ち、がやがや談笑するのが聞こえた...
永井隆 「この子を残して」
...鳥共の疳高(かんだか)い夕べの合唱...
中島敦 「光と風と夢」
...都会の夕べはそのために十分悲しくあつたのだ...
中原中也 「在りし日の歌」
...ア市の郊外ヂーニヤに於けるパシヤの閑居に、私は此の夕べ、牛津で別れた以來の老先生と手を握り、靜かなる食卓に夫人と三人語り合つて、夜の更くるを知らなかつた喜は何に譬へようか...
濱田耕作 「埃及雜記」
...ある夏の夕べだつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...夕べ早々に退出されたとき...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...しめやかな早春の夕べの空の見える所に宮は出ておいでになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...葩束を編みながら美しく羞むひとよ夕べバルコンの影の跫音の言葉ならはるかな愛情も匂ふでせう★梢に鴉の喪章はゐない***新しいアアチの青貝路にペンキの響き自転車で春の帽子がかけてくる★樹樹の梯子を登りをりして歌ふものたち***花に飾られた日射しの緑のブランコの優しい肩にのりあなたは空まで駈けあがる★雲がじぶんでドアをあける光りにまじつて小鳥の声もおちてくるやはらかい枝や影がぼくを支へる...
森川義信 「季節抄」
...晨(あした)も夕べも品々に囲まれて暮れる...
柳宗悦 「工藝の道」
...夕べの灯がついていた...
吉川英治 「親鸞」
...枕橋(まくらばし)から向島はちょうど墨絵の夕べである...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??